三者の記者会見の模様(提供:長岡市)
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 長岡市は先進技術を持つ民間企業と連携して市民生活の向上を目指す「オープンイノベーション」の一環として、アプリを用いたタクシーの相乗りを7月1日から実証実験中だ。ニアミー(東京・千代田)と長岡市ハイヤー協会の2者と共同して進めている。

 長岡市は「長岡版イノベーション」を打ち出し、変化の波を捉えて市民生活の向上と産業の活性化の実現を目指し、新しい技術を用いたサービスの研究を続けている。多くのベンチャー企業と交流するなか、タクシー相乗りマッチングサービス「nearMe.」を提供するニアミーの存在を知り、新たなタクシー活用法の提案と地域交通の利便性向上のため長岡市へのアプリ導入を決めた。

 アプリを使ったタクシー相乗りサービスは首都圏で2018年6月に始まったサービスだが、地方都市では初めて。地方都市で受け入れられるのか予測が難しかったため、長岡市ハイヤー協会にも協力を仰ぎ、3者での連携が決定した。期間は第1クールが7月1日から8月31日まで。第2クールは10月1日から11月30日。高齢者の移動手段やターミナル駅からの二次交通、バスやタクシーのドライバー不足、10月に開催を予定している長岡米百俵フェス2019など遠隔地で開催されるイベントへの移動手段など、交通に関する課題解決を目指している。

「nearMe.」は同じ方向に行きたい人を探し、タクシーで相乗りができる無料のマッチングアプリ。行き先を入力すると、目的地が近いユーザーが表示され、自動算出されたルートと相乗り金額を確認できる。1人で乗るより料金が安い場合だけ候補者を表示し、2人乗りの場合、1人当たりの支払額は最大で4割抑えられるという。

 相乗りしたいユーザーが決まれば、アプリ内のメッセージ機能や通話機能を使って合流し、相乗りで乗車する。アプリ内で決済するため、現金のやり取りは不要だ。

マッチングから降車までの流れ(提供:長岡市)
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料金は最大40%安くなると想定している(提供:長岡市)
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 ニアミーは長岡市内の特定の区域でサービスを展開、利用状況やアンケートで効果を測定する。長岡市ハイヤー協会は、通常のタクシー営業を実施し、運転手が感じたサービスの効果や影響を収集。長岡市は関係機関との調整や市民への周知を担当する。実験後のサービス展開は、長岡市と長岡市ハイヤー協会の意見を踏まえてニアミーが判断し、決定する予定。

 長岡市の担当者は「首都圏で広まっている新しいサービスの長岡市での導入を支援し、長岡市民に体験してもらいたい。最先端の技術を地方都市で導入する効果や市民の反応、タクシー営業への影響、地域交通の利便性向上の可能性などを見極めるつもりだ。実証実験の結果やニアミーが持つ技術を活用し、長岡市の地域交通に関する課題解決を3者で検討するための第一歩になれば」と語る。