まちづくりの対象エリア(出所:加須市)
まちづくりの対象エリア(出所:加須市)
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 埼玉県加須市は、2022年度に策定する「病院を核とした加須駅周辺の新たなまちづくり構想」のベースとなるコンセプトを、民間のノウハウを活用して策定した。今後、さらにサウンディング型市場調査や関係者との意見交換、パブリックコメントの募集などを行い、2023年3月に構想を策定する。

 加須市では「第2次加須市総合振興計画」において、「絆でつくる 緑あふれる 安心安全・元気な田園都市 加須」を掲げており、2022年6月に開院した埼玉県済生会加須病院を核とした新たなまちづくりを最優先に取り組むべき課題としている。その第一歩として、市役所で作成した案をベースに、基本的な方向性を示す「病院を核とした加須駅周辺の新たなまちづくりコンセプト」を策定した。

 対象エリアは、加須駅からおおむね徒歩10分圏内(駅を中心に半径800mの円内)、および済生会加須病院の周辺。新たなまちづくりにおいては、病院の開院に伴う賑わいの創出、市内医療機関との連携による質の高い医療提供体制の確保、県道久喜騎西線バイパス周辺地域の活性化といった効果が期待されている。

 様々な課題に対応するため、目指すまちの姿に取り入れる3つの要素として「ウェルネス」「スマート」「レジリエンス」を設定。民間活力を原動力とした市民との協働による「誰もが住み続けたいと思えるまちの創造」を目指す。

まちづくりのコンセプト(出所:加須市)
まちづくりのコンセプト(出所:加須市)
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 市では、2022年4月から2カ月間ほど、45社の民間事業者に対してサウンディングを行った。45社のうち13社が「事業参画に興味がある」と回答。経済合理性の観点から、事業化の魅力が高い場所は、病院から市道148号線(済生会通り)を挟んだ西側エリアという意見が多かった。

 市は調査の結果、対象エリアへの民間活力の導入は可能と判断。病院から西側エリアは、複数の導入機能実現の可能性が高く、かつ複数事業による相乗効果を得られる可能性が最も高いとした。

 土地利用の考え方や民間活力導入の可能性を踏まえ、市では4つのゾーンを設定した。民間活力導入の可能性が最も高く、効率的に整備を進められる「優先的検討ゾーン」、優先的検討ゾーンと一体的に検討を進め、地域農業の活性化などの魅力を引き出す「一体的検討ゾーン」、エリア全体が湛水想定区域に該当し、開発の優先度が低い「段階的検討ゾーン」、まちづくりによる波及効果を生かし、まちなかへの居住推進を図る「まちなか居住推進ゾーン」となっている。

対象エリアのゾーニング図(出所:加須市)
対象エリアのゾーニング図(出所:加須市)
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 今後は、このコンセプトをベースとして、民間事業者へのさらなるサウンディング、関係者や各種団体などとの意見交換、パブリックコメントの募集、整備費用を見据えた具体的な事業方法の検討などを実施。それらを踏まえて、2023年3月に構想を策定する。