長く連なる軒庇が城東地区の景観の特徴(写真:岡山県)
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全棟にプライベートな庭とテラスがある(写真:岡山県
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ひのき風呂はコンセッション事業者のHNA津山が市の基本プランから変更して採用したもの(写真:岡山県)
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 津山市が施設を所有し、運営権をHNA津山に設定したコンセッション方式による町家ホテル「城下小宿 糀や(しろしたこやど こうじや)」が2020年7月17日に開業した。江戸後期に建てられた「旧苅田家付属町家群」をリノベーションし、地域の観光拠点としたもの(関連記事)。公共施設等運営権対価(運営権の存続期間全体の支払い額)は7405万円。事業期間は2040年3月31日までである。

 開業した宿泊施設は、重要伝統的建造物群保存地区である城東地区内にある。江戸時代に酒造で栄えた旧苅田家の住宅に連なる町家4棟を活用した。旧苅田家住宅は国の重要文化財に指定されており、今回の町家群も4棟すべてが伝統的建造物(特定物件)に指定されている。旧苅田家住宅から約60メートルにわたって続く軒庇が地区の景観の特徴だ。

 「糀や」という宿名は、酒の原料である米と津山の桜の花のイメージを重ね合わせたもの。木造2階建て瓦葺きの町家4棟を宿泊棟3棟、ラウンジ1棟にリノベーションし、1棟貸しのホテルとして1日限定3組の宿泊客を迎える。各棟それぞれにキッチンやヒノキ風呂、プライベートな庭に縁側風のテラスをしつらえた。

 宿泊客は、日本酒を湯船に注ぐ「日本酒風呂」が体験できるほか、HNA津山が市内で運営するホテル「ザ・シロヤマテラス津山別邸」の温泉大浴場を無料で利用できる。また、城東地区内の飲食店での朝食やデリバリー(ルームサービス)、ザ・シロヤマテラス津山別邸での夕食を組み合わせた宿泊プランも用意している。シロヤマテラスまでは車で5分の距離といい、送迎サービスも行っている。

 料金は2名利用、朝食付きの場合で大人1人当たり1万6900円(サービス料・税別)から。A棟は屋外を含めて約220m2の広さで、定員は8人。B棟は約123m2で定員11人。C棟は約134m2で定員6人。ラウンジ棟ではフリードリンクを提供し、津山にゆかりのある書籍を集めたミニライブラリーを設置する。