愛知県豊田市は2021年7月30日から2022年3月末まで、トヨタ自動車、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金、公益財団法人豊田都市交通研究所とともに、交通死亡事故の削減を目指す官民連携事業「ジコゼロ大作戦」を実施する。クルマと路側インフラ間の通信技術を利用した安全運転支援の仕組みを整備するとともに、危険個所や交通事故発生のデータを利用した道路環境の整備、ドライブレコーダーの情報を使った市民への啓発活動などを行う。

 豊田市では、交通事故発生件数は年々減少傾向にあるものの、昨年および一昨年は交通事故死者数が、名古屋市を除く愛知県下で最多という課題を抱えている。4者はこの官民連携事業を通じて同市における死亡事故削減を目指す。主な取り組みは以下の通り。

  1. インフラ協調型危険回避システム(ITSスマートポール)
    路側にある支柱・電柱などにクルマの接近を感知するカメラやセンサーを設置、他のクルマや歩行者にLED表示板で車両の接近を通知して衝突回避のための注意喚起を促す。カメラやセンサー、LED掲示板は豊田市内の出会い頭事故の危険性のある交差点に設置する。
  2. インフラ協調型危険回避システムのイメージ(資料提供:トヨタ・モビリティ基金)
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  3. 住民ヒヤリハットデータベース
    小学生とその保護者から収集した市内の危険個所情報「豊田市交通安全住民ヒヤリハットデータベース」に、実際の交通事故発生データを組み合わせて各地点の危険度を算定し、対策の優先順位付けに役立てる。危険個所情報については、これまで収集したものに加え、今回新たに収集も行う。
  4. ドライブレコーダー情報を活用した高齢者安全運転診断サービス
    ドライブレコーダーに記録された運転者の映像を解析して、「見通しの悪い交差点での確認範囲が不十分でした」など安全運転のためのアドバイスを行う。一般社団法人高齢者安全運転診断センターの高齢者向けサービスを利用するが、年齢制限は設けておらず、運転に不安があれば何歳でも利用できる。
  5. 車両プローブデータの活用
    走行車両から取得したプローブデータや事故・ヒヤリハットデータなどの分析・活用により、危険個所の特定、原因分析による効果的な対策の実施と効果検証を行う。車両プローブデータとは、トヨタ自動車のコネクティッドサービスを利用している車両のカーナビなどから取得できる位置情報や車両情報データを統計処理し、個人が特定されない形に加工してあるデータのこと。

 トヨタ・モビリティ基金は、「ジコゼロ大作戦」の取り組みを通じて他地域でも応用可能な「官民連携による交通安全の取り組みモデル」を構築し、愛知県をはじめとする全国に同モデルを展開していくとしている。また、同基金では、今回の取り組みに関連するSDGsの目標として「3.すべての人に健康と福祉を」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「11.住み続けられるまちづくりを」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」を提示している。