廃棄太陽光パネルスマート回収システムの仕組み
(1)メンテナンス業者は太陽光発電設備から交換した廃棄パネルを持ち帰り一時保管する。(2)メンテナンス業者がソフトに登録した廃棄パネル情報をクラウド上で共有する。(3)収集運搬業者は廃棄パネルが一定量保管されていることを確認したら回収予定日を登録する。(4)リサイクル業者は登録された回収予定日・回収量を確認する。(5)収集運搬業者はメンテナンス業者を効率的に回って廃棄パネルを回収し、リサイクル業者が適正にリサイクルする(出所:福岡市)
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「メガソーラービジネス」2021年7月26日付の記事より

 福岡県と公益財団法人・福岡県リサイクル総合研究事業化センターは7月6日、県内に点在する廃棄太陽光パネルを効率的に回収し再資源化する「廃棄太陽光パネルスマート回収システム」を構築したと発表した。

 太陽光発電の急速な導入拡大に伴い今後は使用済み太陽光パネルの排出量が加速度的に増加すると見られている。太陽光パネルの寿命は20~30年であることから、同県内のピーク時(2036年)の年間排出量は1万t超と予想される。

 同県内には、太陽光パネルの高度な素材分離技術を持つ事業者がおり、効率的な回収システムがあればマテリアルリサイクル(材料の再利用)や再資源化が可能な環境にあることから、全国に先駆けて同システムを構築した。2020年に実施した実証試験では、廃棄パネルの回収に伴う輸送コストを約61%削減、CO2排出量を約44%削減できたという。

 メンテナンス業者など廃パネルの排出者、収集運搬業者、素材分離処理業者などが廃棄パネルの保管量・保管場所・種類といった情報をクラウド上の支援ソフトで共有する。メンテンナンス業者は、収集運搬業者や処理業者への手配を一元化でき、廃棄物処理に必要な電子マニフェスト(管理票)の手続きも一括して行える。収集運搬業者は、パネルの保管場所・量などを把握することで、回収ルートを最適化できる。処理業者は、廃棄パネルの搬入日時の見通しが立ち、業務を効率化できる。

 同システムの利用には、福岡県リサイクル総合研究事業化センターが事務局を務める「福岡県太陽光発電(PV)保守・リサイクル推進協議会」への加入が必要になる。現在は15社が利用可能であり、今後は県内外を問わずより多くの企業への利用拡大を目指す。