協定締結式の模様(提供:小松市)

 石川県小松市と日野自動車が地域公共交通を生かした魅力あるまちづくりに関する協定を締結し、新しいモビリティサービスの社会実装に向けた実証実験を実施する。

 小松市は、小松空港の国際化や2023年春の北陸新幹線小松駅の開業に向け、都市交通機能の強化を課題として抱えている。日野自動車は安全で効率的かつ「豊かで住みよい持続可能な社会」実現のため、地方自治体の交通課題解決につながる新事業を目指している。小松市にバス製造子会社を持つ同社は小松市と協定を締結、市の高齢化や就労形態の多様化による公共交通機関の運転手不足などの問題解決のため、市内で2つの実証実験を2019年秋から冬にかけて実施すると決定した。

 実証実験の1つは「生活サポート・ダイナシェアバス」。「ダイナシェアバス」とは、ダイナミックシェアードバスを略した言葉だという。地域住民との対話を通じて、ニーズの高い出発地・目的地および時間を設定。移動のニーズをある程度集約して財政負担を減らすことで持続可能性の確保を目指す。将来的には、さらにきめ細かな人の移動を把握し、年間での需要変動に応じて配車スケジュールと運賃に柔軟さを持たせることで、利便性と事業性の両立も視野に入れている。

 実施地区は小松市矢田野校下で、マイクロバスやミニバンクラスの車両を1〜2台使用して通勤・通学・買い物・通院などに活用。矢田野校下6町の公民館・集会所などから時間に応じて違ったルートで運行する予定だ。

 

 2つ目は「工業団地通勤シャトル」。市内の工業団地周辺では渋滞が発生し、各企業は広大な駐車スペースの確保が必要となっている。また、高齢者や障がい者雇用の拡充、運転免許を持たない外国人従業員の増加などに対応するため、新しい交通手段となるモビリティサービスの可能性を探る。

 実施場所は小松鉄工団地で、通勤や買い物での利用を想定している。バスやマイクロバス、ミニバンクラスの車両を使い、誰でも乗れる「路線バス型」と予約が必要な「予約型」の2タイプを用意。小松鉄工団地内と駅や商業施設などを回るルートで運行する。

 どちらも実証実験中は、市民は無料で利用できる。運行時間や具体的なルートなどは事前アンケートで決定する予定だ。

 小松市の担当者は「日野自動車の持つ技術やノウハウを活用できれば。実証実験の結果によっては、本格的な導入も考えたい」と語る。