LABVによる事業イメージ(資料:山陽小野田市)
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商工センターの位置と写真(資料:山陽小野田市)
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 山口県山陽小野田市は、PPP手法による再整備を検討している山陽小野田市商工センターについて、国土交通省の「先導的官民連携支援事業(事業手法検討支援型)」の採択を受けて、事業可能性に関する調査を実施する。調査の名称は「市有地利活用及びエリアマネジメント等に係る官民連携事業可能性調査」。山口銀行などを傘下にもつ山口フィナンシャルグループの子会社、YMFG ZONEプランニングを委託先として実施する。

調査では、数あるPPP手法のなかでも、自治体と民間事業者らが公有地と資金、開発ノウハウを出し合って協働で開発に取り組むLABV(Local Asset Backed Vehicle、官民協働開発事業体)の手法を優先的に検討する。実現すれば、国内初のLABVの事例となるという。

 再整備を検討している商工センターは、老朽化が進んでおり、市はかねてから今後の施設のあり方を検討してきた。商工センターの近隣にある山口銀行小野田支店も、建て替えを検討する時期にあることから、山口銀行と、商工センター内に拠点を構える小野田商工会議所の2者が検討パートナーとして参画。三者で、商工センター施設の再整備とエリアの面的活性化も目指した官民連携事業の検討を行うことになった。

 LABVは、自治体が公有地を現物出資し、民間事業者が資金を出資して作った事業体が公共施設と民間の収益施設を複合的に整備する手法だ。特定の公共施設を対象とするPFIに対し、LABVは、複数の公有地に商業施設やオフィスビルといった民間集積施設も組み合わせた開発やマネジメントまでを行う点が特徴だ。今回の調査でも、商工センターの再開発にとどまらず、エリア内での連鎖的なハード、ソフト事業の創出を視野に、エリアのまちづくりに資する効果的で実現性の高い事業手法の検討を行う。

 具体的には、民間主導による事業構築とLABVの事業スキームを前提に、商工センター施設の再整備をリーディングプロジェクトとして、にぎわいの創出や交流人口の増加を生み出す事業の可能性のほか、中長期的には、LABVにより設立した事業主体が、ほかの市有地や民間の遊休地も活用しながら、連鎖的にまちづくりに資する事業を展開する可能性についても検討していく。

 調査・検討の期間は2020年月まで。YMFG ZONEプランニングへの委託金額は1349万7000円だ。今回、採択を受けた「先導的官民連携支援事業(事業手法検討支援型)」は、先導的な官民連携事業を実施しようとする地方公共団体などに調査費用を補助するもので全額を国土交通省が補助する。

 なお、LABVの手法は、自治体にとっては、公共施設の集約などで生じる余剰資産を、民間資金を活用化して事業化でき、人口減少期のまちづくりの推進に適しているほか、官民の共同出資で事業を進めるため、自治体が継続的にまちづくりに関与できる利点もある。また、事業キャッシュフローを裏付けとして融資を受けるスキームであるため、金融機関の事業性評価を通じて、採算性や安定性のある事業構築も期待できる点が特徴だ。