大阪市は2020年8月末まで、AIオンデマンド交通の社会実験に関する民間事業提案を募集している。AIオンデマンド交通とは、複数の利用者の予約申し込みと車両の現在位置から、AI(人工知能)が最適な運行ルートをリアルタイムに決定して配車する乗合輸送サービス。自由に乗降場所を決められるタクシーと路線バスの中間的な性質を持ち、利用者のニーズに個別対応しながら、比較的低コストで一定数の利用者を運ぶことができる。

AIオンデマンド交通社会実験の募集から実施までのスケジュール(出所:大阪市)
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 大阪市は、今回のAIオンデマンド交通の社会実験について「将来的に本格運行につなげることで、将来にわたって持続可能な公共交通ネットワーク構築の一助となる」(発表資料より引用、以下同)提案を求めており、応募資格を「旅客自動車運送事業を営むことができる事業者」に限定している。また、社会実験は事業者の責任において実施され、実験にかかわる費用はすべて事業者負担になる。

 募集内容は、事業提案(概要、社会実験期間、運賃設定)、大阪市内の対象区域、道路運送法における運行形態(ルートは固定だがダイヤは固定されていない路線不定期運行か、ルートとダイヤがどちらも固定されていない区域運行か)、AIオンデマンドシステムの概要、提案理由、提案実施にあたってのポイント、留意事項など。

 同市が求めているのはICTなどの新技術を活用して地域課題の解消につながる提案や、地域住民および公共交通利用者のニーズや利用状況を反映したもの。新規事業者が収益の高い地域だけを対象とするクリームスキミング的な運用ではなく、既存の公共交通ネットワークと連携・調和するものを希望している。

 事業提案書の提出は8月31日まで。その後、9月上旬に提案事業者へのヒアリングを実施し、9月下旬に事業提案を公表。10月下旬から11月上旬にかけて既存の交通事業者からの意見を募り、11月中旬に候補となる事業案を確定する予定。さらに、12月頃に住民、自治体、事業者などの間で適切な地域公共交通について合意を図る「大阪市地域公共交通会議」(仮称)を開催し、同会議で協議がまとまった実験を2021年2月頃から実施する。

発表資料