愛知県豊田市は、2021年7月からSIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)による介護予防事業を開始した。期間は26年6月までの5年間で、事業費は最大5億円。原資は三菱東京UFJ銀行ほか数社からの企業版ふるさと納税で調達済みだ。豊田市によれば、介護予防分野で億単位のSIBは全国初だという。

 事業の名称は「ずっと元気!プロジェクト」。コロナ下の外出自粛による「フレイル(心や体の衰え)」を予防するため、65歳以上の市民を対象に「スポーツ・健康」「趣味・エンタメ」「コミュニケーション・その他」の3ジャンルのオンラインまたは対面のプログラムを提供する。8月3日時点で21事業者が31プログラムを開始しており、今後も随時追加する予定だ。8月10日にはスカイホール豊田で体験会を開催する(入場無料・出入り自由)。

「ずっと元気!プロジェクト」体験会のチラシ(資料提供:ドリームインキュベータ)
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 事業を受託するのは、Next Riseソーシャルインパクト推進機構(東京都千代田区。以下NRS)。ドリームインキュベータ(東京都千代田区)がこのSIB事業のために設立した合同会社だ。NRSが機関投資家から運営資金を預り、プログラムの提供事業者を取りまとめる。

 プログラムの提供事業者は、新規獲得利用者1人あたり年間約3000円、1年のうち6カ月以上参加した継続利用者1人当たり年間約1万円の成果報酬を受け取る。事業者は成果報酬のほかに参加者から利用料を徴収してもよい。

 事業全体では年間利用者5000人、5年で延べ2万5000人を目標とし、5年間で介護保険給付費の10億円削減を目指す。削減額は第三者評価機関の日本老年学的評価研究(JAGES)がプログラム参加群と非参加群へのアンケート調査に基づいて推定・算出する計画だ。NRSは参加者数と介護保険料削減評価額に応じた成果連動報酬を受け取り、投資家にリターンを支払う。

事業スキームの概略(ドリームインキュベータの提供資料を一部加工)
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