洋上風力の導入目標とエリア別導入量のイメージ
(出所:経産省)
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「メガソーラービジネス」2021年8月5日付の記事より

 経済産業省と国土交通省は7月30日、洋上風力発電プロジェクトに「日本版セントラル方式」を採用するための調査事業に3海域を選定した。セントラル方式とは、風力開発の準備段階の調査や系統協議などを国が実施し、複数事業者が入札で買取価格を競うことで再生可能エネルギーのコストを低減する仕組みで、欧州で実績がある。

 今回、「洋上風力発電の地域一体的開発に向けた調査研究事業」の実施海域について、「北海道岩宇及び南後志地区沖(着床式)」「山形県酒田市沖(着床式)」「岩手県洋野町沖(浮体式)」の3海域を選定した。

 同事業は、促進区域などの区域制定が行われる前段階の海域について、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が委託する調査事業者が洋上風力発電の基本設計に必要な調査を行い、その結果を自治体や事業者に提供するもの。事業者の重複調査が見込まれる海域で、より効率的な案件形成を行う手法の確立を目的とする。

 調査項目は、風況の調査、海底地盤・気象海象に関する調査、環境影響評価のうち初期段階で事業者が共通して行う項目に関する調査、漁業実態調査の4項目。受付期間の5月10日~24日に都道府県から9海域、事業者から19海域の情報提供があり、第三者委員会の意見を踏まえて3海域を選定した。

 このほかにも同事業では、調査事業者の公募を実施し、6月2日に実施体制を発表した。実施予定先は、調査研究項目(A)風況などの実海域調査および環境影響評価などに必要な実海域調査が、基礎地盤コンサルタンツ・深田サルベージ建設・パシフィックコンサルタンツ・長大・PCER、日本気象協会・応用地質、KANSOテクノス・日本気象の3者。調査研究項目(B)地域と一体となった海域の開拓に向けた方向性などの調査が日本気象協会。

 2020年12月に策定した「洋上風力産業ビジョン(第1次)」では、初期段階から政府や自治体が関与し、より迅速・効率的に風況などの調査、適時に系統確保などを行う仕組み(日本版セントラル方式)の確立に向けて、実証事業の立ち上げなどにより案件形成を促進し、継続的な区域地底につなげていくとしている。