「道の駅なみえ」に設置された「H2Rex」
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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発電時に排出する熱を活用した温水給湯設備
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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「メガソーラービジネス」2020年8月5日付の記事より

 東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は8月3日、福島県浪江町の「道の駅なみえ」向けに純水素型の燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システム「H2Rex」を納入したと発表した。7月に同町で本格的に稼働した「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造された水素を用いて発電する。10月ごろに稼働する予定。

 「H2Rex」は、水素を直接用いて、その場でCO2を出さずに電気と熱を生み出すコージェネシステム。改質工程がない分、約5分の短時間で発電できるのが特徴で、国内に120台以上の導入実績がある。

 今回、「道の駅なみえ」に納入したH2Rexは定格出力3.5kW、発電した電力は照明や空調など同施設の一部で利用される。また、発電の過程で排出する熱を給湯に利用する。給湯タンクに湯温60度200Lの温水を貯蔵し、1時間あたり湯温40度75Lを給湯できる。

 FH2Rは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東北電力、岩谷産業と同社が共同で建設した水素製造施設。世界最大級となる10MW級の水素製造装置と出力20MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を併設し、「CO2フリー水素」の製造技術などを実証している(関連記事:20MWのメガソーラーを「自家消費」、浪江町で水素製造)。

 「道の駅なみえ」はFH2Rから自動車で10分弱の場所にあり、FH2Rで製造した水素はカードルに充填して運搬される。

 浪江町では「浪江町復興スマートコミュニティ計画」に基づき、「道の駅なみえ」をエネルギーマネジメント拠点として新たなまちづくりに取り組んでおり、今回の燃料電池コージェネシステム納入もその一環となる。また、あづま総合運動公園(福島市)およびJヴィレッジ(福島県楢葉町)に続く、福島県内で水素サプライチェーンを実現する3番目の事例となる。

 なお、海外の水素関連事業の動向に関しては、⽇経BP 総合研究所が7⽉31⽇に発⾏した「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の中で詳しく解説している。本書は技術解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの⽔素普及シナリオを描いている(「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。