国土交通省は、まちづくり分野でのソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)活用を目指し、先行モデルとなる自治体を募集する。選定された自治体に対しては、コンサルタントなどの専門家を派遣し、SIB案件の形成を支援する。2021年度以降のSIB事業実施を積極的に検討することが前提で、公募の締め切りは8月26日12時。8月下旬に1団体を採択する。

事業スキーム(資料:国土交通省)

 今回の募集では、ハード整備ではなく、ハードを活用して行われる活動をSIB事業導入の検討対象とする。例えば、民間事業者やまちづくり団体が自ら空き家や空き店舗をリノベーションし、そこで活動する場合、その活動に対してSIB事業を導入する。

 モデルとなる自治体に対しては、直接の委託や補助ではなく、SIB事業の導入に関する「1.地域課題の洗い出し、及び課題解決に資する事業の実施」「2.成果指標」「3.支払基準」「4.財源確保」「5.成果の評価方法」「6.資金調達方法」「7.支援対象事業の選定に際する募集要項の作成」「8.契約書の作成」などに専門家が助言する。助言を行うのは、国交省から委託を受けたトーマツおよびトーマツが指定するコンサルタント・専門家だ。支援期間は20年9月〜21年2月下旬で、2月に「SIB事業実施内容等報告」を行う。

 モデル団体の採択にあたっては、「国土交通省の事業との関連性・実施可能性」「SIB活用の妥当性」「まちづくり分野における他地域展開可能性」が評価基準となる。

 国交省によると、これまで国内では10件を超えるSIB事業が導入・検討されているが、まちづくり分野ではまだ実績がないという。募集要項では、以下のようなSIB事業を例示している。

■事例(ア) 空き家を民間団体がリノベーションする。地方公共団体は、リノベーションされた建物において行われる活動について、SIB 事業を導入する。
■事例(イ) 商店街の空き店舗を商店街組合がリノベーションする。地方公共団体は、リノベーションされた店舗において行われる活動について、SIB 事業を導入する。
■事例(ウ) 住民が使用しなくなった古民家をまちづくり団体がリノベーションする。地方公共団体は、リノベーションされた古民家において行われる活動について、SIB 事業を導入する。
■事例(エ) 廃校になった学校をまちづくり会社が地方公共団体から借り受けてリノベーションする。地方公共団体は、リノベーションされた学校において行われる活動について、SIB 事業を導入する。
■事例(オ) 地方公共団体が所有する遊休地を民間企業が借り受けて、当該地に健康ステーションを建設する。地方公共団体は、建設された健康ステーションにおいて行われる活動について、SIB 事業を導入する。
■事例(カ) 地方公共団体が所有する公園を民間企業が借り受けて、公園内に施設を建設する。地方公共団体は建設された施設において行われる活動について、SIB 事業を導入する。