長崎市は、行政目的での用途廃止が決定している市の複合施設「ヴィラ・オリンピカ伊王島」について、民間事業者への売却または貸し付けによる利活用を検討している。同市では「競争的対話型サウンディング」により事業者を決定する。競争的対話に先立ち、9月27日に現地見学会を開催する(参加申し込みは9月21日まで)。また、9月30日まで質問を受け付けている。

ヴィラ・オリンピカ伊王島の外観(写真:長崎市)
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 ヴィラ・オリンピカ伊王島は、長崎港の南西約10kmの沖合に位置する伊王島にある市の施設で、図書館、フィットネスルーム、多目的ホールを備える。土地面積は約2500m2、延べ床面積は約1370m2で、1993年に開業した。島と本土は2011年に開通した伊王島大橋で結ばれており、施設はJR長崎駅から車で約35分の場所にある。伊王島はかつて炭鉱の島だったが、1972年に閉山。現在は民間のリゾートホテルなどが立ち、温泉やマリンアクティビティーなどを楽しめるリゾートの島として親しまれている。一方で、2021年5月末時点の人口は662人と最盛期の10分の1以下に減少しており、地域の活性化が課題となっている。

 競争的対話への参加希望者は、10月29日までに所定の提案書に必要書類を添えて申し込む。その後、11月中旬に外部委員による審査会を実施。1提案につき15分程度で提案内容の説明と質疑応答を行う。審査結果に基づき、2021年12月から2022年1月をめどに事業者を決定。その後、市議会の議決や関係省庁への手続きを経て、2022年4月以降に施設を引き渡す予定だ。

 競争的対話では、利活用のアイデア、財産活用方式(買い取り、定期借地など)、既存施設の活用の有無、事業スケジュール、事業費・資金計画、地域貢献(地域住民の利用、災害時の貢献、地元雇用、交流人口拡大など)、および事業実施上の課題などについて提案する。施設の不動産鑑定評価額は土地3264万円、建物2803万円で、貸し付ける場合に市が提示している貸付価格は年間300万円(概算)。提案は、土地・建物を含めた全体の活用案を基本とし、売買に当たっては現状有姿での引き渡しとなる。参加できるのは法人のみで、1法人につき1提案に限る。

 審査は利活用アイデア(40点)、事業費・資金計画(30点)、財産活用方式(30点)の3点について計100点満点で実施。利活用アイデアでは、提案事業が長崎市のまちづくりの方向性に合致しているかどうかも評価項目となる。また、財産活用方式の項目には資産の買い取り額または賃借料の評価も含まれるが、点数は100点満点中5点にとどまっている。