実証実験で使用する無人自動配送ロボット(写真:KCCS)
[画像のクリックで拡大表示]
ロッカーを開けているところ(写真:KCCS)
[画像のクリックで拡大表示]
走行エリア(資料:KCCS)
[画像のクリックで拡大表示]
無人自動配送ロボットを地域内でシェアリングするイメージ(資料:KCCS)
[画像のクリックで拡大表示]

 京セラコミュニケーションシステム(KCCS、京都市)は8月16日、無人自動配送ロボットによる配送サービスの実証実験を北海道石狩市石狩湾新港地域の公道で開始した。小売店や工場のある石狩湾新港地域の一般車が走行する車道でこれまでより大型・高速の自動搬送ロボットを走らせ、商品や企業間輸送貨物の集荷・配送実験を行う。実験期間は9月中旬まで。無人自動配送ロボットが車道を自動走行する実験は国内初となる。

 今回の実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」で採択された技術を使い、KCCSと石狩市が「工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実現」に向けて取り組んでいる。北海道運輸局から保安基準緩和認定を受け、車両の自動走行や近接・遠隔監視での運転操作ができるようにした。また、北海道警察からは自動走行ロボットの公道実証実験に関する道路使用許可を取得している。

 従来国内で実施されている自動配送ロボットの公道での実証実験では、電動車椅子に準じた大きさとスピードのロボットが使われ、主に歩道での走行が行われていた。これに対して、工業団地で効率的に共同利用できるようにミニカー(長さ2.5m以下、幅 1.3m以下、高さ2m以下)に準じた大きさとし、最高時速15kmを出せるロボットを活用している。

 ロボットは複数サイズのロッカーを20個備える。地域内の小売店商品や企業間輸送貨物を集荷し、効率的なルートを選んで自動走行して配送する。ロボットへの荷物の預け入れ、受け取り、ロッカーの開閉はスマートフォンで管理する。走行ルートの総長は5kmに及ぶ。石狩湾新港地域内にある事務所から走行状態を常時監視しているため、ロボットが自動回避できない状況では遠隔操作に切り替えることができるという。

 物流では最終拠点からエンドユーザーへ荷を届ける「ラストワンマイル」が課題になっている。ロボットなどによる自動化が難しく、人手に頼っているためだ。新型コロナウイルスの感染拡大により物流ニーズが高まり、配送における人手不足がいっそう深刻になっている。KCCSグループはそうした物流課題を解決するため、情報通信技術を活用したモビリティサービスの開発に取り組んでいる。