東京海上日動火災保険と東京海上ディーアールは、NECと福山コンサルタントと共同で、自然災害からの「逃げ遅れゼロ」実現を目指した実証実験を、高松市で9月から始める。NECを全体とりまとめ事業者とする「高松市スーパーシティ構想」の一環で、東京海上日動と福山コンサルタントが「逃げ遅れゼロ」を提案している。

 実証実験は9月から10月の一定期間に行う。高松市の住民250人程度を対象に、台風や大雨による水災を想定し、実証実験を実施する。具体的な実験内容は、(1)自治体から自然災害に関する避難情報(避難指示)の警戒レベル4が発令された段階で、東京海上日動から対象者に対して避難を促す個別連絡を発信、(2)避難指示発令数日後、避難費用(タクシー移動代やホテル宿泊代など)を対象者に支払う、(3)住民に危険が迫る前の避難行動を支援することで、事前避難等の行動変化につながるかを検証、である。

実証実験の概要(出所:NEC)
[画像のクリックで拡大表示]

近年、日本各地で大規模な自然災害が多発している。防災・減災のためには、災害が起きる前提で日頃から情報連携の仕組みを運用し、高齢者や要支援者への支援、移動手段の確保などを行えるよう、強くしなやかな社会基盤を整えておくことが大切だ。

 高松市ではAI(人工知能)やビックデータをなどのIT技術の活用と大胆な規制改革により未来の生活を先行実現する「スーパーシティ構想」を進めている。高松市スーパーシティ準備チームを設置し、組織の縦割りにとらわれずに様々な検討を重ね、今年4月には内閣府に「高松市スーパーシティ構想」の提案書を提出した。「逃げ遅れゼロ」は先端的サービスとして掲げた10項目のひとつである。

 「逃げ遅れゼロ」では規制改革も必要だとしている。現在、重大な災害の起こる恐れのある旨を警告して行う予報は、気象庁の独占業務となっている。その根拠となるのが気象業務法や災害対策基本法で、高松市では「一定の基準やルール策定した上で、気象庁以外のものに予報業務を許認可する」ことが必要だとしている。

 今回の実証実験で得られた課題やデータは各社の今後の取り組みに生かされる。東京海上日動はスーパーシティなどに関わるデータドリブン型商品・サービスの開発を検討する。東京海上ディーアールは自然災害に関わる保険商品開発の支援などの検討、NEC四国支社は災害に関わる先端的サービスの社会実装に向けた検討・推進、福山コンサルタントは防災アドバイザーの立場での支援・協力に取り組んでいくという。