2023年度の「空飛ぶクルマ」の実用化に取り組んでいる大阪府で、空飛ぶクルマを開発するSkyDrive(東京都港区)は大林組、関西電力、近鉄グループホールディングス、東京海上日動火災保険と共同で、「空飛ぶクルマによるエアタクシー事業性調査」を今秋に実施する。
大阪府は日本初の空飛ぶクルマの運航に向けて、2020年11月に吉村洋文知事が「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」設立を宣言(設立宣言の資料)。「大阪、特にベイエリアは地政学的にも、経済拠点としても、空飛ぶクルマ事業に適している」とし、都市交通、観光、医療や災害対策など、幅広い分野での利活用を見込む。空飛ぶクルマは2023年度の実用化を目指し、2025年の大阪・関西万博での本格利用も視野に入れる。
今回の事業性調査では、実機の飛行テストは行わず、空飛ぶクルマの社会受容性について調べる。大阪ベイエリアのポート候補地に地域住民を招待し、実機の代わりに大型ドローンを海上飛行させ、間近で飛ぶ時の印象や心理的な影響などについてアンケートおよびインタビュー調査する。あわせて空飛ぶクルマのコンセプト機体や充電・エネルギー関連などの周辺技術を展示・調査し、将来的な事業の可能性を検証する。
空飛ぶクルマとは、複数のプロペラと電動モーターを搭載し、垂直離着陸ができる自動操縦型の航空機のこと。この事業は大阪府の「令和3年度 新エネルギー産業 電池関連 創出事業補助金『空飛ぶクルマの事業に向けた実証実験』編」に採択されている。
今回の事業性調査における5社の役割分担は以下の通り。
- SkyDrive:ドローンの手配および海上飛行のオペレーションなど
- 大林組:空飛ぶクルマポートのイメージ展示、物流ドローンによる建物物流実証紹介
- 関西電力:ドローン海上飛行でのバッテリー消費量の分析など
- 近鉄GHD:大阪ベイエリアにおける空飛ぶクルマのサービスモデル検討など
- 東京海上日動:社会需要性調査の全体設計・取りまとめなど
事業性調査で使用するドローンの機体、実施する場所など詳細については後日公表予定だ。