国土交通省が主導する3D(三次元)都市モデル整備プロジェクト「Project PLATEAU」は2021年8月24日、スマートシティの社会実装に向け、新たに4つのユースケース開発の実証実験に取り組むことを発表した。

 新しいユースケースは、以下の通り。3D都市モデルを太陽光発電のポテンシャル推計などのシミュレーションに活用する「太陽光発電ポテンシャル推計・反射光公害シミュレーション」、自動運転車両が自分の位置を推定するために実際のカメラ画像と3D都市モデルを照合するVPS(Visual Positioning System)を開発する「自動運転車両の自己位置推定におけるVPS活用」、3D都市モデルを用いた工事車両の搬入経路シミュレーターを開発する「工事車両の交通シミュレーションVer2」、まちづくり活動をビジュアライゼーションして企業や個人の参加促進を検証する「大丸有 Area Management City Index(AMCI)」。太陽光発電ポテンシャル推計は石川県加賀市、VPS開発は静岡県沼津市、工事車両の交通シミュレーションは大阪市、大丸有AMCIは大丸有(大手町・丸の内・有楽町)まちづくり協議会と連携しながら、それぞれの地域の3D都市モデルを使って進められる。

太陽光発電ポテンシャル推計シミュ―レーションの対象エリア(左)とその3D地図(右)。三菱総合研究所、国際航業、フォーラムエイト、Pacific Spatial Solutionsが実施事業者として参加する(出所:国土交通省)
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VPS開発の対象エリア(左、沼津駅から沼津港までの約2km程度)とその3D地図(右)。三菱総合研究所、凸版印刷、国際航業が実施事業者として参加し、静岡県、東急、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学などが協力する(出所:国土交通省)
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 例えば、太陽光発電ポテンシャル推計の実証実験では、対象エリアの日照量データに3D都市モデルが持つ建物の屋根面積、傾き、隣接建物の日陰の影響を反映して、各建物に太陽光発電パネルを設置した場合の発電量、太陽光発電パネルから周辺への反射光を都市スケールでシミュレーションする。その結果は、地域における太陽光発電パネル普及策の検討や都市部のエネルギー計画策定に活用していく。

 3D都市モデルは、現実の都市を3Dサイバー空間に再現したもの。地形や建物の高さを反映した3D地図に建築物の名称や高さなどの属性情報が付加されており、都市計画立案の高度化や都市活動のシミュレーションなどでの利用が期待されている。国土交通省は2021年3月に、Project PLATEAUで整備した全国56都市の3D都市モデルを順次公開することを発表しており(関連記事)、その際、26のユースケースの実証実験を自治体、民間企業、大学・研究機関と連携しながら実施していることを明らかにしている。今回発表した4つのユースケースは、それら26のユースケースに続くものとなる。