法務省は、SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)による、非行少年への学習支援事業を開始した。事業期間は2022年8月から2024年3月までの約2年半で、最大支払い額は7122万円。法務省によると、国として行う初のSIB事業であり、再犯防止分野でのSIB活用も国内初。

事業スキーム(資料:公文教育研究会)
事業スキーム(資料:公文教育研究会)
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 事業は公文教育研究会、キズキ(東京都渋谷区)、もふもふネット(大阪市)で構成する共同事業体が受託する。少年院在院者のうち学習意欲のある者を対象に、在院中に学習支援計画を策定し、出院後の最長1年間、学習支援と生活支援を組み合わせたサポートを行う。東京と大阪で、期間全体を通じて80人程度を支援する計画だ。

 資金は三井住友銀行、日本政策投資銀行、CAMPFIREが提供する。三井住友銀行は成功報酬に応じて金利を変動させる貸し付けを行い、日本政策投資銀行はあおぞら銀行に成果報酬債権を信託する、信託受益権投資型スキームで資金を提供する。CAMPFIREは、一般の賛同者からクラウドファンディングで資金を集めて貸し付ける。

 成果指標には「プロセス指標」と「アウトカム指標」の2種類を設け、おのおのの達成度合いに応じて法務省が成果報酬を支払う。最終的なアウトカム指標は再処分率だ。

成果指標(資料:公文教育研究会)
成果指標(資料:公文教育研究会)
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 少年院仮退院後の再処分率は学生・生徒に比べて無職者が顕著に高く、出院後の学習支援が再犯・再非行防止に有効と考えられている。上川陽子法務大臣は8月31日の閣議後会見で「支援の継続的な実現のため、NPOや民間企業との連携、民間資金を活用した民間協力者の活動基盤の整備が課題」と述べている。

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