愛媛県が8月30日に開催した「行革甲子園2018」(写真:愛媛県)
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グランプリを獲得した松山市の取り組み概要(資料:愛媛県)
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 愛媛県は、全国の市町村から行政改革の先進的・独創的な事例を募集して発表・表彰する政策コンテスト「行革甲子園2018」を 8月30日に開催した。自治体間で行政改革の優良事例を共有して刺激しあい、ノウハウ活用につなげることが目的だ。今回のグランプリには、愛媛県松山市の行革事例が選定された。

 愛媛県は2012年度から2年に1度の頻度で「行革甲子園」を開催している。初年度と2014年度は県内から事例を募集した。2016年度の「行革甲子園2016」では対象を全国に拡大し、47都道府県の110市町村から104の事例の応募があった。今年度は前回を上回り、47都道府県の117市区町村から、知恵と工夫が詰まった141の行革事例が集まった。

 書類審査を通過して、当日プレゼンテーションを行ったのは松山市と、北海道天塩町、茨城県つくば市、神奈川県大和市、新潟県三条市、静岡県浜松市、岡山県西粟倉村、愛媛県西予市の8団体。さらに特別企画として、台湾・台北市政府の担当者が、国外の先進事例として発表を行った。審査員は関西学院大学の小西砂千夫教授、愛媛大学の兼平裕子教授、トーマツのパートナーの小室将雄氏、READYFOR代表取締役CEOの米良はるか氏、中村時広・愛媛県知事の5人。審査員長は小西教授が務めた。

 グランプリに選ばれた松山市の事例は、「窓口一本化の保安指導で防災体制を強化(新規財源の確保)」。これまで県と市で分けていた危険物取扱規制の窓口を消防局に一本化することで、事業所の負担軽減に成功した事例だ。危険物と高圧ガスの管理は法によって都道府県知事と市町村長に規制され、県と市で窓口が違っていた。「公共の安全を確保する」という目的や、使用の申請手続きなど共通点が多いことに注目し、2つの窓口を一本化。行政にとっては同一部署での同時審査・検査で時間短縮につながり、事業所にとっては人件費や工事費などの経費削減のきっかけとなったという。

 このほか、審査員長特別賞には西粟倉村、三条市の2団体が選ばれた。西粟倉村の「『百年の森林構想』と『ローカルベンチャー』による地域資本の価値向上への取り組み」は、面積の約95%を森林が占める同村が、現在の森林を適切に管理・有効利用しながら持続可能な経営を実現できるシステムを構築したものだ。

 三条市の取り組みは、新潟県内の5市村による住民情報系システムの共同化だ。「住民の血税を考えれば共同化をやらない理由はない!〜各種情報システムの共同化と新たなサービスの実現〜」と題して、10年間で約50%の経費を削減した。

 愛媛県市町振興課の担当者は「今後も2年に1回のペースで開催する予定だ。困難を乗り越えて企画を実現させた自治体の発表からは発案者の熱い気持ちが感じられる。事例集だけでは受け取れない情熱を伝えることができる」と語る。