静岡県浜松市天竜区の佐久間町で2020年9月16日から12月18日まで、「公共交通空白地有償運送事業」のタクシー業務に、EV(電気自動車)とMaaS(Mobility as a Service)プラットフォームを導入する実証実験が実施される。佐久間町に設置した太陽光パネルが発電した電力を使ってEVを運行する「再生可能エネルギーの地産地消」を目指す。

 公共交通空白地有償運送事業とは、公共交通がない、あるいは本数が少なくて使いづらい地域において、一定の要件を満たした市町村やNPO法人(特定非営利活動法人)などの自家用自動車を使用する有償旅客運送のこと。高齢化・過疎化が進む佐久間町では公共交通・民間タクシーの撤退が相次いでおり、2007年から有人オペレーターが利用受付する公共交通空白地有償運送事業を運営している。

実証実験のイメージ(出所:TIS)
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 実証実験の実施主体は「浜松佐久間MaaS推進協議会」。佐久間町のNPO法人がんばらまいか佐久間、浜松市の地域新電力である浜松新電力(浜松市)、TISインテックグループのTISが協議会メンバーとして参加する。

 MaaSプラットフォームは、北海道厚沢部町でTISが行った実証実験「ISOU PROJECT」で使用したものを改良し、前日乗車予約の機能を追加した(ISOU PROJECTホームページ)。

 地域住民は、カード会員またはアプリ会員としてシステムに登録。カード会員は、プッシュホン電話の音声ガイダンスに従って呼び出し地点や希望時間帯を入力して、タクシーを予約する。アプリ会員は、スマートフォンの専用アプリで現在地・目的地を指定してタクシーを呼び出す。利用受付をシステムに置き換えるので、オペレーターの人件費を削減できるという。

 同実証実験は、経済産業省・国土交通省の2020年度「スマートモビリティチャレンジ」プロジェクトにおいて、国交省の「日本版MaaS推進・支援事業」38事業の1つに採択されている。また、佐久間町がある浜松市天竜区は、エネルギーに対する不安のない低炭素社会を目指す「浜松市エネルギービジョン」スマートプロジェクトのモデル地区の1つでもある。