水素関連事業に取り組む民間企業11社は2020年9月4日、「神戸・関西圏水素利活用協議会」を設立した。協議会メンバーは、岩谷産業、大林組、川崎汽船、川崎重工業、関西電力、神戸製鋼所、シェルジャパン、電源開発、丸紅、三菱パワー、ENEOS。このうち岩谷産業、丸紅の2社が、事務局/幹事を担当する。さらに、経済産業省資源エネルギー庁、新エネルギー・産業総合開発機構(NEDO)、神戸市がオブザーバーとして協議会に参加する。

水素基本戦略のシナリオ(出所:経済産業省)
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神戸市ポートアイランドに設置された水素CGSの実証プラント(出所:NEDO)
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 同協議会は、国の示す「水素基本戦略」「水素・燃料電池ロードマップ」の実現を目指し、神戸・関西圏における「2030年の商用化に向けた大規模実装実現への道筋策定」および「2025年頃の水素利活用商用化実証に関する具体的なスキーム構築」に取り組む。そのために、以下の3つの活動を進めていくとしている。

  1. 大規模水素サプライチェーン構築のために需給一体となって事業性検討を行い、関西 圏における水素利活用の事業モデル検討を実施する。
  2. 関西圏における水素利活用モデルの社会実装に向けたロードマップを作成する。
  3. 社会実装における課題を明確にし、国や自治体へ政策提言を行う。

 神戸市は、水素利活用の実証事業の1つである「水素コジェネレーションシステム(水素CGS)」の実証プラントに協力団体として参加していることから、協議会にオブザーバー参加することになった。水素CGSの実証プラントは、NEDOの助成を受けて大林組、川崎重工業が神戸市ポートアイランドに2017年12月に建設したもので、2018年4月には世界で初めて、市街地における水素燃料100%のガスタービン発電による発電と熱供給を達成した(NEDOの発表資料)。

 このほか神戸空港島には2020年6月、技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構「HySTRA」の実証用液化水素輸入基地が完成しており、2020年秋に液化水素運搬船を用いた実証事業が始まる予定となっている。HySTRAには協議会メンバー11社のうちの7社(岩谷産業、川崎汽船、川崎重工業、シェルジャパン、電源開発、丸紅、ENEOS)が組合員として参加しており、実証事業はNEDOの助成を受けている(HySTRAのホームページ)。