ラウンドテーブルに参加した有識者は「もとのデータは税金でまかなっていて、(有償で)追加費用を回収しているならば、利用者が増えるほど安くなるはず」と指摘。データを公開すれば農業分野などの利用者の増加につながるのではないかという意見が相次いだ。

 農業データの活用を進めているOrchard & Technology(オーチャード・アンド・テクノロジー)の末澤克彦社長は、認定農業者制度のために都道府県が管理している作物名や面積、人件費といった農業経営指標の基礎データの公開を求めた。農業経営者がデータを比較して自ら経営改善に役立てられるという。

 農水省は「オープンにする予定でデータを集計していない」と説明したものの、有識者は「公開を前提にすることもあり得る」という指摘も出た。

 不動産検索サイトを運営しているLIFULL(ライフル)は、自治体が管理している住所表記の一覧や、法務省の不動産登記情報について、不動産ID(識別子)を付与してオープンデータ化することを求めた。

 LIFULLは不動産IDがあれば、空き家の特定や不動産のおとり広告防止に役立てられると主張した。また、国土交通省に対しては大まかな不動産の取引情報などを提供している不動産流通標準情報システムに不動産IDをひも付けて、不動産価格が把握しやすくするよう求めた。

 しかし、総務省は自治体が住所表記を保有しているとして「自治体に一括して出すべきだと言う立場にない」と突っぱねた。法務省も「不動産登記事項の取得は受益者の負担。個人の特定につながる情報もある」と事実上困難だとした。

 国土交通省は「不動産の売買価格は個人の資産状況が分かる。個人が特定できないように精度を上げながら活用できるよう検討したい」という回答にとどまった。

 有識者からは「登記情報はお金を払えば氏名や住所も出る。どこまでの個人情報をどの文脈や目的で誰にまで公開できるか詳細な議論を進めていただきたい」と検討を求める声が相次いだ。「住所表記と緯度・経度のひも付けは最低限必要」という指摘もあった。

 さらに平本健二・政府CIO補佐官は2018年1月公表のデジタル・ガバメント実行計画に「町字情報」の整備などを盛り込んだと説明し、2018年中にオープンデータ化に取り組むとして総務省に協力を求める場面もあった。