アライアンス棟の外環イメージ図(資料:吹田市)
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アライアンス棟の配置図(資料:吹田市)
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 大阪府吹田市は、開発を進めている北大阪健康医療都市(健都)内の「健都イノベーションパーク」において、産学連携拠点(アライアンス棟)の整備・運営を行う事業者として、JR西日本不動産開発、京都リサーチパーク、大林組で構成される企業グループを優先交渉権者に選定した。

 アライアンス棟には、健都への移転が決まっている国立健康・栄養研究所(健栄研)が入居するほか、賃貸ラボ・オフィスや交流施設を整備する。今後、同グループは吹田市と基本協定を締結後、2020年冬に着工し、22年春の竣工を目指す。

 健都イノベーションパークは、国立循環器病研究センターを中心とする複合医療産業拠点(医療クラスター)の形成を目指し、同センターと連携する企業や機関のために用意した進出用地だ。

 新たに建設するアライアンス棟は、市が所有する4429m2の事業用地に整備する鉄骨造7階建ての建物。国立健康・栄養研究所のほか様々な企業、大学、研究施設などが入居可能なハード面に加えて、健都内外の企業などとの連携を促進するソフト面も備えた複合的な機能を持つ。市が30~50年の事業用定期借地権を設定したうえで民間事業者に貸し付け、民間事業者が整備・運営を行う。吹田市が事業者に貸し付ける事業用地の貸付料は、年額2105万504円。定期借地期間の開始から30年間は、健栄研の運営に関する吹田市の支援として、年額貸付料を2分の1に減額する(金額・条件は公募時)。

 同グループの提案は、国立健康・栄養研究所(約3500m2)と賃貸ラボ・オフィス(約3800m2)、クラスター交流施設(約200m2)で構成される「健都 研究交流ステーション」を整備し、市民の生活と健康づくり、および研究・産業振興の二面から健都の発展に寄与するという内容だ。事業を通じて、オープンイノベーションの実現と研究交流における広域拠点性の発揮、市民との共創機会の創出を目指す。

 提案のポイントは、(1)オープンイノベーションを加速する「Turnkey Lab(ターンキーラボ)」の整備、(2)健都から国内外へと広がる広域ネットワークとの連携、(3)駅前複合施設との連携――の3点だ。

 (1)は、賃貸ラボ・オフィスの約4分の1にあたる900m2を、実験機器と日常業務サービス付きのシェアラボ、「Turnkey Lab」として整備する。スタートアップ段階の企業や研究者が最小単位・最短期間で借りられるように、1人・1日から利用できる実験台を用意する。複数名の個室スペースも併設し、事業が軌道に乗り出した段階のニーズにも対応できるようにする。残りの部分は、区画貸しのラボ・オフィスとする。

 (2)は、京都市で同様の施設を運営する京都リサーチパークのノウハウを生かし、国内外のネットワークと連携可能な事業を実施する。(3)は、市民へ研究成果を還元する場として、健都内のJR岸辺駅前でJR西日本不動産開発が運営している複合商業施設「VIERRA岸辺健都」との連携事業を実施。具体的には、VIERRA岸辺健都の入居テナントと連携した健康、医療、福利関連のイベントの実施、製品開発や実証などをイメージしている。