一般社団法人柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)タウンマネジメントと三井不動産は2021年9月、千葉県柏市にある柏の葉スマートシティに29台のAI(人工知能)カメラを設置し、事故防止などを目的としたエリアマネジメント活動を開始した。まず、親水空間・調整池「アクアテラス」周辺の立ち入り監視や、柏の葉キャンパス駅周辺およびアクアテラス周辺の人流分析にAIカメラを利用する。

 アクアテラス周辺では、増水時および夜間の立ち入り禁止帯の立ち入りを監視し、人の立ち入りを検知すると柏の葉キャンパス駅周辺を管理する警備員にメールを自動送信して、水難事故の防止活動を支援する。人流分析の結果は、イベントや街づくりを検討する際に活用する。

AIカメラの設置場所(左)とエリアマネジメントの内容(右)。AIカメラは柏の葉キャンパス駅周辺に25台、アクアテラスに4台設置する(出所:三井不動産)
AIカメラの設置場所(左)とエリアマネジメントの内容(右)。AIカメラは柏の葉キャンパス駅周辺に25台、アクアテラスに4台設置する(出所:三井不動産)
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 AIカメラは三井不動産グループのクリューシステムズ(東京都千代田区)が提供し、ニューラルポケット(東京都千代田区)の画像解析技術を利用する。AIカメラが撮影した映像は、内蔵AIがリアルタイム分析した直後に破棄され、分析データからは特定の個人を識別できない。このため、個人のプライバシーを侵害する恐れはないという。また、三井不動産と日本ユニシスがパーソナルデータを安全に流通させるために共同開発したプラットフォーム「Dot to Dot」を利用して、大学や研究機関、事業者に人流の分析データを提供することも検討している(Dot to Dotの発表資料)。

 2022年4月には、柏の葉キャンパス駅周辺エリアでの異常行動検知も開始する。これは「倒れる」「うずくまる」など通行人の異常行動を検知した場合に、警備員へメールを自動送信して現場に駆け付けるように促すもの。凶器の所持を検知した場合も、警備員にメールを自動送信する。2021年9月から2022年3月までは、本格運用に先立って現場検証のための試験運用を実施する(試験運用では現場への駆け付けは行わない)。

「倒れる」「うづくまる」などの通行人の異常行動検知も2022年4月にスタートする(出所:ニューラルポケット)
「倒れる」「うづくまる」などの通行人の異常行動検知も2022年4月にスタートする(出所:ニューラルポケット)
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 UDCKタウンマネジメントは、公・民・学連携のまちづくり任意団体である柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)を母体に設立された、公共空間の管理運営を担う法人組織。都市再生特別措置法に基づいて地域のまちづくりを担う「都市再生推進法人」の指定を柏市から受けている(柏市の都市再生推進法人制度)。