2022年に完成予定の富良野市の新市庁舎(資料:富良野市)
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 ICTを活用した業務プロセスの改革に取り組んでいる北海道富良野市は、今後の方向性を検討するために、民間事業者から広く意見や提案を求めるサウンディング型の市場調査を実施する。10月17日まで参加者を募集中だ。

 富良野市では、人口の減少と生産年齢人口の低下が顕著になる一方で、住民ニーズや地域課題が多様化・高度化している。今後、質の高い市民サービスの提供や行政運営の効率化などを実現するには、市役所の業務プロセスを抜本的に見直し、ICTや外部委託を効果的に活用する必要があると考えている。そのために、ノウハウやネットワークを持つ民間事業者から広く意見を求めることにした。

 業務プロセス改革の方向性として、窓口業務の改革など市民サービスの向上、複数の情報システム間の連携や外部委託による行政運営の効率化、財源と人員の再配分の実現を目指している。また、改革のメリットとして、人手不足の補完・解消、コスト削減、人的ミスの防止とそれによる業務品質の向上、働き方改革の実現、住民サービスの向上の5点を想定する。

 これらを踏まえて、調査では、同市の自治体規模での業務プロセス改革(ICT導入や外部委託)の市場性、ペーパーレス化やRPA(ロボットによる業務自動化)の導入に向けた実証実験の方法、官民連携の推進体制などについて対話を行う。

 ICT導入や外部委託については、費用対効果の見込みも踏まえて、市場性や具体的な事務分野について提案する必要がある。また、市の推進体制と市内ベンダーとの関わりなど、官民連携のあり方や優良事例、および住民サービスの向上に直結する他市町村の優良事例についても意見を求めている。

 調査に参加できるのは、自治体に対するICTの実証実験や導入、外部委託などのノウハウや実績があり、ICTの製品を開発または販売し、支援体制も整えている法人および法人のグループだ。参加希望者は、10月17日までに所定のエントリーシートと対話シートを市に提出する。なお、参加申し込み多数の場合は、対話シートの内容などに基づいて事業者を選考するため、対話の実施に至らない場合もある。対話は11月12日~29日の期間に実施し、結果の概要は2020年1月頃に市のホームページで公表する。

 富良野市の人口は2万1535人(2019年3月31日時点)、市の正規職員の数は267人(同7月1日時点)だ。第5次富良野市総合計画が20年度で終了し、21年度から始まる第6次富良野市総合計画の策定や、22年に新庁舎完成を控えているタイミングであることから、ICTなどを活用した業務プロセスの改革に取り組む好機と判断した。市は、この調査を行うことで、民間事業者のノウハウを生かした実現可能性の高いICTの活用案や外部委託案の検討が可能になるほか、ICTの導入に対する市職員の意識改革や不安解消にもつながると考えている。