今回の提案募集対象となる3つの遊休化した公共施設のうちの1つ「旧西浦保育所」(資料:沼津市)
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提案制度の流れ(資料:沼津市)
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 静岡県沼津市は、同市が保有する3つの遊休化した公共施設について、民間事業者からの有効活用提案の募集を先ごろ開始した。同市は、公共施設を老朽化や利用需要を見据えて最適化するとともに、公共施設の適正な管理による財政負担の軽減・平準化を目指す「公共施設マネジメント」に取り組んでいる。今回はその趣旨に基づき、「平成30年度沼津市提案型公民連携制度」として、民間企業などから、保有する資金力、経営力、技術力などを生かした有効活用提案を募集する。

 求める提案の内容は、集客や雇用の創出などにより地域の発展に寄与するもの、新たな歳入の確保を実現する独創的で具体的、かつ実現可能なもの、市の財政支出に頼ることなく継続的な運営が見込めるもの――の3つ。民間事業者などからの提案を随時募集、審査委員会などで審査し、そこで「採用」となった場合は、事業者の選定を行う(プロポーザル方式または随意契約)という進め方になる。募集期間は2019年3月末日まで(提案状況により募集期間内であっても終了する場合がある)。

 今回の提案型公民連携制度によってアイデアを募集する施設は、「旧西浦保育所」「旧都立大学付属高校沼津寮跡地」「旧国民宿舎伊豆戸田荘」の3つ。まず、旧西浦保育所は2014年度まで32年にわたって使用されていた。メンテナンスが必要だが施設内には厨房や子ども用トイレ、プールなどがそのまま残っている。建物を借用した、民間事業者の独立採算による活用が要件で、自然環境や景観を生かした地域や観光の交流拠点となるような活用が見込まれる。

 また、旧都立大学付属高校沼津寮跡地は、土地のみの活用法を募集。現在「島郷公園」として都市計画決定を受けているものの、現状は隣接する「牛臥山公園」の臨時駐車場や補修工事の資材置き場として使われている。周辺の牛臥山公園、御用邸記念公園と続けて市民が訪れる公園づくりなどが期待される。

 旧国民宿舎伊豆戸田荘は、2006年まで宿泊施設として営業していた客室20室(8畳15室、12畳5室)、大広間60畳、大浴場2カ所、食堂などを有する鉄筋コンクリート造・地上4階建てのビル。耐震性が基準に満たないため、耐震化もしくは建物の撤去を考慮した提案が必要。海水浴場に近く、富士山を望める立地特性などを生かした周辺地域の観光に寄与する施設としての活用が期待される。

 今回の募集について、沼津市まちづくり政策課の担当者は「市の財政支出に頼ることなく、継続的な運営が見込める提案を求めている。ただし、事業実施の資金調達には市が実施する『沼津市民間支援まちづくりファンド事業』による支援のほか、一般財団法人民間都市開発推進機構と沼津信用金庫より、全国に先駆けて設立された『ぬまづまちづくりファンド』(関連記事)からの出資などを活用することも可能だ」と話す。