鹿児島県は県庁18階に民間運営によるコワーキングスペースを設置する。2022年3月下旬までに竣工し、同年4月にオープンする予定だ。県は2021年9月、「鹿児島県庁18階コワーキングスペース整備事業業務委託」についての企画提案で、NPO法人(特定非営利活動法人)薩摩リーダーシップフォーラムSELF(鹿児島市)を最優秀提案者に選定した。同法人は業務委託先として、コワーキングスペース内装・設備工事の設計・施工・管理業務、工事に関連する安全管理や近隣対策、さらにオープン後の施設運営を担当する。

マリンポート側の展望ロビーを利用したコワーキングスペースのイメージ(資料:鹿児島県)
マリンポート側の展望ロビーを利用したコワーキングスペースのイメージ(資料:鹿児島県)
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県庁18階展望ロビーのレイアウト(資料:鹿児島県)
県庁18階展望ロビーのレイアウト(資料:鹿児島県)
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 県庁18階には、桜島(東側、約155m2)、鴨池公園(北側、約159m2)、大型観光船ふ頭などがある港湾施設「マリンポート」(南側、約172m2)にそれぞれ面した3つの展望ロビーがあり、イベント、会議室、展示場、研修会場などに使われている(展望ロビー利用者の募集)。コワーキングスペースはこれらの展望ロビーに設置される。その際、マリンポート側には有料スペースを、桜島側には飲食物の物販コーナーをつくり、委託事業者はそこからの収入で施設を運営する予定となっている。展望ロビーのうちどれだけの面積をコワーキングスペースに割り当てるかは「現在調整中」(県出納局管財課)だという。

 コワーキングスペース整備の目的には、新型コロナウイルス対策で導入企業が増えているテレワークなどの新しい働き方による事業活動の支援、異業種交流の促進のほか、テレワークを利用して都市圏から地方へ移住する人々の「地方回帰」を促す狙いがある。2020年7月に鹿児島県知事に就任した塩田康一氏は、新産業の創出を重要な政策目標に掲げており、コワーキングスペースの設置もそのための施策の1つとなる。県庁に設置する理由は「新産業の育成には、県の関連部署が集まっている県庁に設置するのが最も良いと判断したため」(県商工労働水産部産業立地課新産業創出室)だ。

 整備事業の企画提案では、事業コンセプトとともに、具体的な整備内容(施設レイアウト、内装、設備・備品の配置、動線、デザイン、通信環境など)、防災・セキュリティー対策、運営方法(利用料金の設定、利用募集や予約・受付、料金の決済方法、物品管理など)、整備後3カ年の収支計画、整備・運営のスケジュール、県内企業の参画を含めた地域資源の活用方法などの提案を求めた。3事業者からの提案があり、「事業コンセプトがしっかりしており、それが個々の整備内容にしっかり落とし込まれていた」(新産業創出室)として、薩摩リーダーシップフォーラムSELFが最優秀提案者として選定された。