路線定期運行の4路線とフリーエリア運行の範囲(出所:横浜市、京急電鉄)
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実証実験で使用する車両。新型コロナ対策で乗車人数を制限している(出所:横浜市、京急電鉄)
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 横浜市、京浜急行電鉄、横浜国立大学、日産自動車は2020年10月11日、横浜市金沢区富岡エリアで「集合型移送サービスの実証実験」(地域交通“とみおかーと”実証実験)を開始した。実験は12月11日までの無償期間と、2021年1月中旬から約2カ月間の有償期間に分けて実施される。

 富岡エリアは横浜市内でも人口減少と高齢化が進んでおり、なおかつ急勾配の坂道や狭い道路が多く、住民はバス停や鉄道駅へのアクセスに苦労している。実証実験はこうした交通課題を解決するためのもので、乗客として実験への参加を希望する住民や来訪者は、とみおかーとサイトに利用登録する。

 運行形態には、4つの路線を約30分間隔で運行する「路線定期運行」と、エリア内に約70の乗降ポイントがあり最短15分前まで配車予約できるオンデマンド交通「フリーエリア運行」がある。車両は、前者がヤマハ発動機の電動カートAR-07または日産セレナe-POWER、後者が日産セレナe-POWERまたは日産NV350キャラバンを使用し、いずれも京急グループ所属の現役タクシードライバーが運転する。

 乗合型移送サービスの実証実験は2018年度から実施されており、日産自動車は今年度からの参加となる。3年目となる今回の実験は、過去の実験で把握したニーズや地域からの意見に基づいて改善している。

 例えば、路線定期運行への「停留所、乗降地点を増やしてほしい」という意見に対しては、運行エリアを拡大するとともに、タクシーと同じように手を挙げた場所で自由に乗降可能とした。フリーエリア運行では、前日予約を最短当日15分前に変更するとともに、スマートフォンのアプリ予約を使えない高齢者のために、電話予約にも対応するようになった(電話予約は最短当日60分前)。

 同実証実験は、2018年に横浜市と京急電鉄が締結した「京急沿線(横浜市南部地域)における公民連携のまちづくりの推進に関する連携協定」の取り組みの一環となる。2021年1月中旬に始まる有償の実証実験では、過去および今年度の無償実証実験の結果を踏まえて、運行ルートや運行エリア、運賃を設定し、今後の事業化に向けた検証を行う。