シマ・大勝JVが提案した作品の外観イメージパース(資料:大阪府住宅供給公社)
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 大阪府住宅供給公社は、池田市にある石橋西団地の建て替えに当たって事業提案コンペを行い、応募3者の中から、建設会社のシマと大勝建設で構成されるJV(共同企業体)の提案を最優秀作品に選定した。

 石橋西団地は、阪急宝塚線石橋駅から徒歩約15分の池田市豊島北1丁目にある。1958年に建設され、すでに築後約60年が経過。エレベーターやバルコニーがなく、間取りや設備面でも現代の住まいのニーズに対応していない。そこで公社は、近接する石橋団地(56年築)と神田町団地(59年築)との集約を含めた建て替え事業を行うことにした。

 現在の石橋西団地は、5370m2の敷地に地上4階建ての4棟の建物が立ち、総戸数は96戸だ。公社が示した計画は、敷地の一部を使って、5階建て以下、56戸の規模の住宅と、専有面積60m2の「地域子育て支援事業所」を建設するというもの。地域子育て支援事業所は池田市と連携した施設で、地域の子育て親子の交流や相談、援助、情報提供の場として設置する。敷地内の配置と建て替えに要する面積、および住戸プランは、事業者の提案に任せる。なお、敷地面積から建て替え用地を除いた部分は「活用地」とし、この面積は価格評価に影響する。また、建設工事にかかる費用は9億400万円以下(消費税含む)での提案を求めた。

 これらの条件を踏まえ、シマ・大勝JVの提案は、敷地のうち建て替えに付随して整備する開発公園部分も含めて3139m2を使い、5階建て1棟、延べ床面積2834m2、56戸の規模の住宅を整備するという内容だ。住宅棟と地域子育て支援事業所を屋根のあるデッキテラスでつなげ、同事業所を「パークプラザ」として開発公園と一体的に利用できるようにする。

 デザイン面では、同事業所のシンボリックな屋根形状、上部に設けた採光のための高窓が特徴で、明るい場所で子どもと触れ合うことを意識した。住戸プランは、連続した3戸の住戸を2戸にも変更できる水回りの配置になっており、将来のニーズの変化も見越した可変性も評価ポイントとなった。設備面では、地震時に自動的にブレーカーを落として通電を遮断する通電ブレーカーをはじめ、オートロック、宅配ボックス、Wi-Fiなどを標準装備する。建設工事費は、8億2180万円(税抜き)で提案した。

 コンペは3月から9月にかけて実施。審査は、計画の内容を評価する「定性的事項」が30点、価格面を評価する「定量的事項」が70点の100満点で実施。定量的事項は、公社の負担額が最も少ない提案を満点の70点として得点化する。公社の負担額とは、建設工事費から、活用地の面積1m2に対して14万8000円を乗じた金額を差し引いた数値だ。

 シマ・大勝JVの提案は、定性的事項では3者中2番目の得点だったが、定量的事項は満点の70点で、最優秀提案に選定された。今後は、10月中旬に基本協定を締結後、実施設計、工事と進め、21年春頃の建物完成と入居開始を目指す。