千葉県市川市は2021年10月7日、応用地質(東京都千代田区)と共に「冠水情報管理システム」および「土砂ハザードモニタリングシステム」の実証実験を開始した。市川市は2021年、応用地質の冠水センサー「冠すいっち」を冠水の発生頻度が高い市内の道路13カ所に、応用地質の斜面変動監視センサー「クリノポール」を市内の危険崖地4カ所に設置して、それぞれの運用を開始している。実証実験では、これらのセンサーに応用地質が開発する「冠水情報管理システム」および「土砂ハザードモニタリングシステム」を組み合わせ、実際の災害対応業務の中で使い勝手を検証しながら市川市の災害対応フローに即した機能改善・強化を実施していく。

 冠水情報管理システムは、道路冠水をセンサーによってリアルタイムに検出するだけでなく、その後の通行規制の状況や周辺家屋・店舗の浸水状況など、後継活動も含めた災害対応フロー全体をデジタル化し、各種情報を共有・連携させる。これらの情報は災害の発生時だけでなく、今後の災害対策を立案する際にも活用できる。

冠水情報管理システムの画面イメージ(出所:応用地質、背景の地図は国土地理院の電子地形図)
冠水情報管理システムの画面イメージ(出所:応用地質、背景の地図は国土地理院の電子地形図)
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 もう一つの土砂ハザードモニタリングシステムは、主に3つの機能を持つ。地形・地質などのデータからAI(人工知能)が崩壊危険箇所を判断する「崩壊危険箇所の抽出」、斜面変動監視センサー「クリノポール」からのデータ、雨量、土壌雨量指数(雨が土壌中にどの程度蓄えられているかを示す指数)を組み合わせて個々の崩壊危険箇所の危険度を判定する「崩壊切迫性判断」、そして崩壊危険箇所の傾斜角や傾斜方向などから崩壊時の影響範囲とその危険度を評価する「崩壊影響範囲判定」である。内閣府のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の第2期(2018~2022年度)では、すでに7つの自治体が同システムの実運用による実証実験を実施しているという。

土砂ハザードモニタリングシステムの画面イメージ(出所:応用地質、背景の地図は国土地理院の電子地形図)
土砂ハザードモニタリングシステムの画面イメージ(出所:応用地質、背景の地図は国土地理院の電子地形図)
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