最終年度を迎えた原田プロジェクトの最新の成果は「『社会リスクを低減する超ビッグデータプラットフォーム』2018年度シンポジウム」(11月21日開催)で発表する。会場は東京・九段のベルサール九段、参加費は無料。成果物を紹介する展示コーナーも設置する(写真は2017年度シンポジウムの様子)

 三重県の29市町の協力を得て地域の医療・介護・健診に関するビッグデータを解析している「社会リスクを低減する超ビッグデータプラットフォーム」(原田プログラム)は、11月21日に都内で開催するシンポジウムで最新の成果を発表する。

 原田プログラムは、内閣府のImPACTプログラム(革新的研究開発推進プログラム)の一つで、2016年度から3年間でIoT時代に求められる共通の技術基盤を作り上げることを目指している。そのなかで、数百億単位のデータを高速に処理するための「超ビッグデータ処理エンジン」を開発した。この処理エンジンで三重県のビッグデータを解析したところ、国民健康保険の被保険者における医療の実態を把握でき、今後の地域ケアシステムを構築する上で貴重な情報を得たという。

 具体的には、「三重県の地域保険の被保険者が、どの病院を受診しているかが可視化できた。処方されている薬の割合や、ある既往症を持つ男性が5年後にどういう病気になる可能性があるか、医療情報を解析することで、現状だけでなく、将来の姿を予測できる」(プログラム・マネージャーを務める原田博司・京都大学大学院教授)。こうして得られた将来像は地域の今後の医療政策を決めるうえで役立つとし、自治体での活用を期待している。

 同プログラムは、各種センサーからWi-SUNという国際標準の無線通信規格でデータを収集する小型IoTゲートウエイも開発しており、これを使った健康管理システムの構築を考えている。血圧や脈拍の変化などを記録できるマルチセンサー携帯型自動血圧計を24時間身につけ、このゲートウエイを組み合わせることで、その人がどの時間に家のどこにいたかを自動記録して、生体信号とともにクラウドに集める。

 そうすれば、大病などをして自宅で療養している人の健康状態を詳しく把握でき、再発の前兆に気づけるとしている。その効果として、「再発を防げれば医療費も抑制できるし、介護する家族の負担が減らせる」(原田教授)という。

■訂正履歴
1段落目の「三重県の協力」を「三重県の29市町の協力」に、3段目の「三重県に住む国保の被保険者」を「三重県の地域保険の被保険者」にそれぞれ修正しました。お詫びして訂正します。 [2018/11/19 15:40]