現在の本庁舎周辺施設の配置図(資料:貝塚市)
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新庁舎の配置イメージ(資料:貝塚市)
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 大阪府貝塚市は、PFI手法を活用して、老朽化した市庁舎を建て替える計画を進めており、10月12日に「貝塚市庁舎計画(素案)」を公開した。この素案に対するパブリックコメントを10月31日まで募集する。意見は郵送、ファックス、電子メール、持参のいずれかの方法で提出する。所定の様式はない。住所、氏名、電話番号の記入も必須で、未記入の場合は無効となる。素案は市のウェブサイトから入手できるほか、市役所本庁舎、山手地区公民館、浜手地区公民館でも閲覧することができる。

 市役所本庁舎は地上4階、地下1階建て、5711m2の規模で、1965年に竣工した。老朽化が進んでいることに加え、耐震性能も不足しており、防災拠点機能を兼ね備えた新庁舎の整備が必要な状況だ。そこで市は、民間活力を導入し、周辺施設の統合や複合化も含めた施設更新を検討。そのなかでPFI手法を用いて整備することになった。

 今回、公開された「貝塚市庁舎計画(素案)」は、市民ワークショップと市民団体へのヒアリングで得た意見と、庁内での検討結果に基づいて、新庁舎建設の基本理念や基本方針を定めたものだ。基本理念は「人がつどい 未来輝く 安心・安全な庁舎」。新庁舎が人々の交流、街づくり、防災の拠点となることを目指した。このほか、新庁舎に必要な機能や方策、施設計画についても示されている。

 貝塚市役所とその周辺は、現在、本庁舎のほかに別館や分室、保健・福祉合同庁舎、教育庁舎、市民福祉センターなどがあり、機能が分散している。素案によると、今回の再整備では、本庁舎と教育庁舎、市民福祉センターなど5つの建物を撤去する。新庁舎には、市民福祉センターと教育庁舎、保健・福祉合同庁舎などにある行政機能も集約し、市民の利便性の向上を図るとともに、災害時の防災拠点としての必要な機能を整備する予定だ。

 新庁舎は6階建て、延べ床面積約1万2700m2の規模で、建設地は現在の本庁舎裏側にある駐車場の部分だ。1階には市民交流スペースや売店、最上階には展望テラスや喫茶スペースも設置する。現庁舎の跡地を含む新庁舎の北側部分には、市民広場と駐車場を整備。市民広場は、平常時には市民交流の場、災害時には防災広場として活用する計画だ。

 また、撤去する建物の跡地利用としては、市民福祉センター跡地には、ほかの行政機関を誘致し、教育庁舎跡地は、市が土地を貸し付ける形で、民間事業者による売店・食堂施設の整備を想定している。既存建物では、新庁舎に機能を移した後の市役所別館にも、ほかの行政機能を誘致する考えだ。2019年度に事業者を選定した後、2020年度に工事に着手し、2022年度から新庁舎にて業務を開始するスケジュールを予定している。

 これらの事業を実施する手法として、市は、PFI手法のうち、民間が施設を整備した後、所有を公共に移し、その上で民間に維持管理・運営を任せるBTO方式を採用する意向だ。施設整備の工事費と25年分の維持管理費などを合わせた費用から、民間事業者から得る地代(教育庁舎跡地の民間事業者による売店、食堂施設の部分の地代)を引いた概算の事業費は、約89億円を見込んでいる。民間の資金や経営能力、技術を活用することで、市は、従来方式で整備する場合と比較して、約15%の事業費削減を期待している。