資源物などの収集を行うパッカー車(SDGs目標12)(写真:座間市)
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コミュニティ創出などで地域活性化を図るホシノタニ団地(SDGs目標11)(写真:小田急電鉄)
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 小田急電鉄が、神奈川県座間市内で推進する循環型コミュニティの創出に関する取り組みが、フィンランドの公的イノベーション・ファンド、Sitraが選定する「世界を変えるサーキュラー・エコノミーソリューション」に選出された。同社によると日本の企業・団体としては初選出だという。サーキュラー・エコノミー(循環経済)とは、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄の経済に替わり、資源や製品などの回収・リサイクル、省資源商品の開発・シェアリングなどを推し進め、新たな資源の使用や廃棄物の発生を最小化する経済のこと。

 小田急電鉄は2019年6月、座間市とSDGs(持続可能な開発目標)の達成をめざして「サーキュラー・エコノミー推進に係る連携と協力に関する協定」を締結(関連記事)。これに基づき、現在、同市と、アメリカのルビコン・グローバル社のテクノロジーを活用した資源物・ごみ収集のスマート化に関する実証実験を実施している。この実証実験は、収集車両の位置情報や収集状況を市のクリーンセンターで一元管理し、収集作業を効率化するほか、市域内をくまなく走行する収集車両を活用し、道路や防犯灯、漏水、インフラの不具合などを効率的にチェックするという内容だ。このほかにも両者は共同で、市内小学校で「ごみの問題解決」に関するワークショップを開催するなどしている。

 また、これらの取り組みに先立ち小田急電鉄は、小田急線座間駅前にある築約50年の同社の社宅を賃貸住宅にリノベーションし、座間駅前エリアの活性化に取り組んだ実績もある。4棟ある建物のうち、駅から離れた2棟は市が市営住宅として一括借り上げし(関連記事)、駅側の2棟の建物を「ホシノタニ団地」として一般に賃貸。ホシノタニ団地部分は、中庭に広場や賃農園などを配置し、居住者同士のコミュニティを創出するとともに、一般開放してイベントも定期的に開催するなどして賑わいを創出している。

 これらの取り組みについて、座間市とともにサーキュラー・エコノミーを推進している点や、郊外エリアにおけるコミュニティ活性化などの社会課題の解決に寄与している点などが評価され、今回の選出に至ったという。

 フィンランドは、サーキュラー・エコノミーの先進国として知られる。Sitraは同国の公的イノベーション・ファンドで、2017年以降、毎年、同国内の優良なサーキュラー・エコノミーの事例を選定し、世界に発信してきた。2020年は同国以外からも広く事例を募集し、世界中から約200件がエントリー。小田急電鉄を含む約40事例が選定された。