東京都は、新たなモビリティサービスとして注目されているMaaSの社会実装モデルを検討するため、先行的なモデルとなる実証実験を3事業を、応募7件の中から選定した。実験を通じて得られた結果をもとに、社会実装に向けて課題を整理する。

 経済発展と社会的課題の解決を図る「Society 5.0」の実現を目指す東京都は、交通手段の最適化を図るMaaS社会実装モデルを検討するため、2019年9月に実証実験を公募していた。

実証実験の事業スキーム(提供:東京都)
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 以下、3事業の概要を紹介する。

多摩地区の交通結節点である立川駅周辺エリアの「お出かけ」をサポート

 実施主体は、小田急電鉄、東日本旅客鉄道、ヴァル研究所、多摩都市モノレール、立川バスの5者。JR東日本の中央線と南武線、立川バスのリアルタイム運行データを同時に用いた日本初の経路案内を提供する。また、多摩モノレールの1日乗車券と多摩動物公園の入場券がセットになった電子チケットを1つのアプリで提供し、公共交通の利用促進や商業・観光施設の来訪者の利便性向上を狙う。

実証事業のイメージ(提供:東京都)
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「スマートシティを目指す最先端の街」竹芝エリアにおいてマルチモーダルサービスを提供

 実施主体は、MONET Technologies 、鹿島建設、一般社団法人竹芝エリアマネジメント、電通、東海汽船、東急不動産、東日本旅客鉄道の7者。「『スマートシティを目指す最先端の街』竹芝エリアにおいてマルチモーダルサービスを提供」。竹芝エリア内の勤務者をターゲットとする周辺駅やオフィスを巡回するオンデマンドモビリティサービス、観光客に向けた竹芝浅橋と浜松町駅などの間を移動するモビリティサービスを導入。ビジネスパーソンや観光客の移動手段の充実を図る。

実証事業のイメージ(提供:東京都)
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東京臨海副都心エリア専用の MaaS アプリによる回遊性の向上

 実施主体は、ナビタイムジャパン、ドコモ・バイクシェア、JapanTaxi、東京臨海高速鉄道、 一般社団法人東京臨海副都心まちづくり協議会、KDDI の6者。徒歩・鉄道・バスなど複数の交通手段を組み合わせたルート検索や、デマンド型シャトルの予約、りんかい線やシェアサイクルのキャッシュレス決済がワンストップで実現する。観光スポットや施設情報、クーポンを提供し、スマートフォン一つで国内外の観光客のスムーズな移動と回遊性の向上を目指す。

実証事業のイメージ(提供:東京都)
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 今回のこれら実証実験は、東京都が委託した事業プロモーター・みずほ情報総研が支援。MaaSの実現により、都内の移動の利便性向上はもちろん、移動ビッグデータによる新たなサービスが創出すると期待されている。東京都の担当者は「公共性・広域性・事業性の3つを重視し、交通サービスだけでなく観光施設や商業施設とも手を取り合った将来性のある実験を選定した。地域の課題解決につながれば」と語る。