[画像のクリックで拡大表示]
事業のスキーム図と概要(発表資料より)

 キャンサースキャン(東京都品川区)は、2017年5月に東京都八王子市が導入したソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)による大腸がん検診受診率向上事業において、18年度の成果目標を達成した。10月26日、同社らが発表した。これにより、八王子市がキャンサースキャンに、初回の成果連動型支払いを実行した。八王子市からの支払額は満額の244万1000円。また、キャンサースキャンは資金提供者に成果連動型支払いを実行している。

 資金提供者は、一般財団法人社会的投資推進財団(東京都港区。以下、SIIF)とデジサーチアンドアドバタイジング(東京都渋谷区。以下、デジサーチ)。みずほ銀行もSIIFに資金を拠出しているほか、デジサーチ・黒越誠治代表取締役の適格機関投資家としての出資を含む。また、中間支援組織としてケイスリー(東京都渋谷区)が全体設計およびコーディネートを、デジサーチが金融ストラクチャーの立案など資金仲介を手掛けた。

 この事業は、大腸がん検診受診率が特に低い層を対象に、AIを活用したオーダーメイドの受診勧奨を行うもの。17年度に1万2162人に対して実施した結果、受診率は26.8%となり、15年度実績の9%、事業の最大目標値19%を大きく上回った。

[画像のクリックで拡大表示]
八王子市のSIB事業における2017年度大腸がん検診受診率・支払表。大腸がん検診受診率は 26.8%となり、最大目標値である 19%を大きく上回った(発表資料より)

 業務実施は19年7月までで、17年度大腸がん検診受診者のうち要精密検査となった全員を対象に精密検査の受診を勧奨する。成果指標として、19年8月に精密検査受診率と早期がん発見者数を測定、支払額を決定する。八王子市の最大支払額は合計976万2000円、うち成果報酬に相当する額は88万8000円だ。

 八王子市は12年6月から16年8月までの市の実医療費から、大腸がん検診によって早期で大腸がんが発見された患者と早期以外の患者のがん発見後3年間の医療費を比較。早期発見による医療費削減効果を187万3000円と算出し、評価指標の根拠としている。