和気町ドローン物流検証実験協議会は、補助者なしによる過疎地域へのドローンを活用した荷物配送検証実験を10月1日に開始した。実施構成員はレイヤーズ・コンサルティング、ファミリーマート、NTTドコモ、コニカミノルタ、エアロジーラボ、岡山県和気町の6者。実施期間は2020年1月末までの予定。

和気町が抱える課題をドローンの活用で解消することを目指す(提供:レイヤーズ・コンサルティング)
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 対象エリアは津瀬区、田土区、南山方区の3エリア。火曜・木曜・金曜の週3日で、基本は1日1便の運行だ。ファミリーマートや天満屋パピーズ合わせて200品目を対象に、電話やFAX、アプリーケーションを通じて注文を受け付け、各地のヘリポートに届ける。ドローンは昨年同様エアロジーロボ(大阪府箕面市)の製品を使用。昨年使用した「エアロレンジ1」を改良し、荷物の積載に最適化したデザインへの変更と機体の軽量化を実現した。飛行時間は100分以上。10月6日には「ドローン物流検証実験出発式」を和気町の和気ドームで開催。デモ飛行として田土区と南山方区に食料品を届けた。7日から注文を受け付け、8日から配送を開始している。

 人口約1万4400人の和気町は、高齢化や過疎化の進行、インフラ老朽化などにより財政負担が増えると予想されている。近隣には商業施設がなく、高齢者の買い物が困難であり、災害時には孤立する不安を常に抱えていた。これらの課題を解決するため、計65世帯146人が居住する和気町の中心部から離れた3地区を対象に大型ドローンを活用した配送サービスの実施が決定した。ドローンの活用で「買い物難民」の解消に取り組む。

 今回の実験は、運ぶ荷物は5kgまでで、1時間15分程度の飛行時間を想定している。出発地点からの往復距離は30kmで、その間燃料の追加やバッテリーの交換は必要ない。人の目が届かない範囲で補助者を置かずにドローンを30km飛ばす実験は珍しいという。

今回の実証実験の飛行ルート。いずれも近隣には商業施設がなく、高齢者の買い物が困難だ(提供:レイヤーズ・コンサルティング)
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 和気町ドローン物流検証実験協議会は、国土交通省と環境省が実験地域として和気町を含む全国5カ所をドローン物流の実証実験エリアに指定したことを受け、2018年10月に和気町がドローン操縦士学校の運営を手掛けるフューチャー ディメンション ドローン インスティチュート(FDDI、和気町)を代表事業者として設立。JA岡山東、ファミリーマートなどが参画している。

今回の実証実験で使用するドローン。前回の使用機から、機体の設計見直しによる軽量化とデザインの変更、新型パワーユニットの採用により大幅に性能がアップした(提供:エアロジーラボ)
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 なお、今回の実証実験は、2018年12月、2週間にわたり和気町で実施された国土交通省・環境省の連携事業として実施された往復20kmのドローン物流の実証実験「平成30年度CO2排出量削減に資する過疎地域等における無人航空機を使用した配送実用化推進調査」の内容を踏まえて、より実運用に近い形で実施するという位置付けだ。

 FDDIの親会社であるレイヤーズ・コンサルティングの担当者は「実証実験後も1台のドローンを活用して実施していく予定。収益モデルを明確にして全国にPRすることで、本スキームが全国展開されるきっかけとなれば」と語る。