今回の提案募集の対象となる「介護現場のお困りごと」の一覧(資料:横浜市、一部抜粋)
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 横浜市経済局は10月25日、市内の高齢者介護施設からアンケート調査で集めた「介護現場のお困りごと」を解決する製品やサービス開発の提案募集を開始した。まずは2018年度末まで随時募集を受け付ける。横浜市が健康・医療分野のイノベーションを持続的に創出する目的で2016年10月に立ち上げた、産・学・官・金の連携プラットフォーム「LIP.横浜」の事業の一貫として実施する。

 LIP.横浜では、健康・医療分野の研究環境の整備や、総合特区制度などを活用した企業・研究機関のプロジェクト支援などに取り組んでいる。今回は介護現場の課題と、企業が持つ技術やサービスをつなげることで、介護現場には課題解決を、企業にはビジネス参入の機会を作るという両者へのメリットを期待する。

 提案募集に当たってはまず、横浜市側で市内の特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの高齢者介護施設に対して、業務改善や高齢者の自立支援に関する「お困りごと」のアンケート調査を実施した。今回は、そこで集まった36件ほどの「困りごと」を解決できる製品開発やサービス創出の提案を募集する。

 特に多く寄せられた高齢者介護施設からのニーズは、「医療・介護従事者の人手不足による負担を軽減する製品やサービス」と「介護記録などの各種書類作成の負担の軽減になるシステムやツール」だった。具体的には「ベッドと連結固定し、移乗しやすい車椅子製品の開発」や「ナースコールの種類や緊急度を判断するシステムの創出」、「介護スタッフのシフト作成ができるツール」など。

 応募に当たっては、「横浜市内本社または事業所を置く企業(市内企業)」、もしくは「市外企業で、市内企業と連携して製品開発・サービス創出を行う予定であり、『よこはまウェルネスパートナーズ』(企業・団体と横浜市による健康づくり推進、健康関連サービス創出に向けた組織)にメール登録いただける事業所」のいずれかが条件となる。

 横浜経済局のホームページ上からエントリーすると、審査のうえで、今回の取り組みの受託事業者であるシード・プランニングから詳細情報の提供や、製品開発・サービス創出に向けた試作品に対するアドバイス、ビジネスプランの作成、実証実験の調整などの「伴走型支援」を受けられる。支援期間は約1年間で、支援案件は3〜5件をめどに今年度中に決した考え。応募企業と意見交換を重ねながら支援内容を決めていく方針だ。

 昨年度は、在宅医療等従事者のニーズやお困りごとのアンケート調査を行い、企業から提案を募集した。その結果、数件の問い合わせがあり、現在は独居高齢者の見守りに関して提案された案件が検討に入りつつあるという。こうした結果も踏まえ、今年度は新たに高齢者介護施設のニーズに対応することになった。