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 一般財団法人トヨタ・モビリティ基金は、「地域に合った移動の仕組み作り」に取り組む団体を支援する助成金のプログラムを設立した。2018年11月1日から2019年2月28日までの期間、対象となる団体を募集している。

 このプログラムは、地域の移動課題の解決を目指す事業を行う地方公共団体、NPOなどの市民団体、公共交通事業者をはじめとする民間企業などの法人を対象に、その活動に対して、1件あたり最大3000万円、総額10億円の助成を行うというものだ。助成件数は、応募案件の金額と総額の10億円の範囲で調整する。助成期間は最大2年間。

 助成の対象となるのは、地域の移動課題の解決を目指す活動で、次の条件を満たす事業だ。

  • ・複数の分野のプレイヤーが連携するための体制を形成する
  • ・対象地域の市民と移動課題を共有する機会(広報活動やワークショップなど)を用意する
  • ・対象地域において車両を用いた運行を行う
  • ・本助成対象事業に関する明確な達成目標があり、達成状況の確認を行う
  • ・本助成期間終了後の維持継続案がある、もしくは維持継続に向けて検討を行う

 2019年2月28日に応募を締め切った後、3月に選考し、4月から助成金が交付される予定だ。選考は、地域公共政策や交通、福祉の産学民の有識者で構成する選考委員会で行う。上記の5つの条件を満たす活動であるほか、住民の意向に合致した活動であること、情報技術の活用など新しい発想や先駆的なスキームを取り入れていること、全国の他の地域に波及し、モデルとなり得る活動であることの3点も踏まえて、総合的に判断する。

 同基金は、モビリティ格差の解消などに貢献することを目指して、2014年8月に設立された。トヨタが車づくりで培ってきたノウハウやリソースを、世界中の組織の優れたビジョンや経験と結びつけることで、都市部における交通課題の解決や次世代の移動の自由などを実現しようとしている。これまでタイやベトナム、インド、ブラジルでの交通手段の多様化や、日本国内では、中山間地域の移動の不自由を解消するプロジェクトへの助成など様々な課題や研究に取り組んできた。

 それらの活動の一環で、同基金は2016年から、過疎化による公共交通の縮小や移動手段に困っている高齢者の問題などを解決するプロジェクトや、地域に合った移動の仕組みの作り方などに関して、全国の事例を紹介するガイドブックを発行してきた。この活動を通じて、移動の仕組み作りには、情報技術の活用のほか行政や市民、公共交通事業者をはじめとする企業、NPOといった多様なプレイヤーの連携が重要と認識。活動を支援するために、今回のプログラムを設立することになった。

 既に、このプログラム専用の「みんなで作る地域に合った移動の仕組み」ウェブサイトがスタートしており、今後、このサイト上で、今回のプログラムを通じて得られる各地の事例を紹介し、これらの活動を行う団体にとっての情報共有の場として活用していく。