実証運行で使用する車両。愛称は「こゆりちゃん号」(発表資料より)
実証運行で使用する車両。愛称は「こゆりちゃん号」(発表資料より)
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 福島県西会津町、会津乗合自動車(福島県会津若松市、以下「会津バス」)、みちのりホールディングス(東京・千代田区)は、利用希望者の乗車リクエスに合わせて人工知能(AI)が車両の運行ルートやスケジュールをつくり、効率的に配車・運行するリクエスト型最適経路バス(AIダイナミックルーティングバス)「こゆりちゃん号」の実証運行を11月8日から開始した。実証期間は2022年3月31日まで。その結果を踏まえ、22年4月1日以降は本格運行を予定している。

 リクエスト型最適経路バスの特徴は、標柱を置かない乗降場所「バーチャルバス停(VBS)」を多数設定し、従来に比べて乗降地点が希望地点に近くなることで利便性の高まりが期待できる点だ。西会津町内にはバス停が207カ所あるが、VBS100カ所を加え、乗降場所は合計307カ所となる。

図中の赤丸が「バーチャルバス停(VBS)」。既存バス停のすき間を埋めるようにVBSを設置することで乗降場所が希望地点に近くなる(発表資料より)
図中の赤丸が「バーチャルバス停(VBS)」。既存バス停のすき間を埋めるようにVBSを設置することで乗降場所が希望地点に近くなる(発表資料より)
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 運行システムは、交通関連ソフトウエアを開発するVia Mobility Japan(東京・港区)が開発したものを使用。バスの利用希望者が電話または専用アプリで乗車・降車場所のリクエスを出すと、AIがバスの運行するルートやスケジュールを生成して効率的な配車・運行を行う。

 スマートフォンとタブレットで利用できる専用アプリの画面では、乗車するバス停(既存またはVBS)、そこまでのルート、乗車する車両の現在位置や到着予想時刻、ナンバープレートなどの車両情報を確認できる。また乗車後は、車両のリアルタイムの位置、目的地の予定到着時刻が表示される。

専用アプリの画面例(発表資料より)
専用アプリの画面例(発表資料より)
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 バスの運行は既存の時刻表に沿って行う。運賃も既存と同じで、登録済みの人が前日までに予約すると大人200円、子どもと70歳以上が100円となっている。未登録・当日予約の人と町外者はそれぞれ1.5倍の運賃になる。

 西会津町と会津バス、みちのりHDの3者は2021年7月、「西会津町民バスの輸送サービス向上に向けた連携・協力に関する協定」を締結。デジタル技術を活用してデマンドバスを運行し、輸送の安全や利便性の向上などの実現を目指している。今回の実証運行は同協定に基づくもの。