天王川公園で行われた尾張津島藤まつりの様子(写真:津島市)
天王川公園で行われた尾張津島藤まつりの様子(写真:津島市)
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愛知県津島市は、2020年に開設100周年を迎えた天王川公園について、公募設置管理制度(Park-PFI)と指定管理業務を一体的に行う事業者を募集。公募設置等計画の受付を2022年2月に行うのに先立ち、2021年11月25日にオンライン説明会、11月26日に現地案内会を開催する。申し込みは11月19日まで。

 事業者の募集は、2022年2月14日~22日の期間に公募設置等計画など必要書類一式を受け付ける。その後、書類による一次審査を行い、通過者に対して3月29日にプレゼンテーション審査を実施。4月ごろに公募設置等予定者を決定する。その後、公募設置等計画の認定などを経て、2022年7月頃から2023年7月前半にかけて設計・工事を実施。2023年4月に指定管理を開始し、2023年7月前半までに供用開始予定だ。

 天王川公園は、名鉄津島駅から徒歩15分の場所にある。1920年に開設され、2007年には「日本の歴史公園100選」にも選定された。春に行われる「尾張津島藤まつり」には、県内外から約30万人の観光客が訪れる。また、夏に開催される「尾張津島天王祭」は、日本三大川祭の1つにも数えられ、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された。公園周辺には、年間約100万人の参拝客が訪れる津島神社など、歴史的観光資源も多い。

 天王川公園は広さ約12万m2で、園内には水辺空間、藤棚、芝生広場、遊具を置いた中央広場、屋外ステージ、さらに現在は公園管理事務所として使っている1916年建築の「旧鈴木邸・蔵」などがある。一方で、園内に飲食店がなく来園者の滞在時間が短いことや、藤まつりと天王祭以外に魅力的なイベントがないことから、広大な敷地や四季折々の美しい風景が生かし切れていないといった課題がある。駐車場も慢性的に不足している。

 こうした状況から、市はPark-PFIを導入し、民間事業者のアイデア、ノウハウ、資金を生かしてカフェや喫茶店などを設置・運営することで、来園者の滞在時間の延長や新たな楽しみ方の提供、駐車場不足の解消などを進めることにした。さらに指定管理者制度を導入し、公園全体の質の高い管理運営、藤まつりと天王祭のさらなる魅力向上、他のイベント開催による通年のにぎわい創出を実現するとともに、収入の増加と管理運営経費の縮減も図りたい考えだ。

事業対象区域(資料:津島市)
事業対象区域(資料:津島市)
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 Park-PFIで市が提案を求める公募対象公園施設は、必須提案施設がカフェ・喫茶店またはレストランで、任意提案施設が遊戯施設(遊具や舟遊び場など)、教養施設(体験学習施設など)、便益施設(飲食店、売店、宿泊施設など)。藤まつりや天王祭の会場であることなども踏まえて景観に配慮した配置計画、色彩、意匠であることを求めている。施設の規模、構造、階数は自由。園内の旧鈴木邸・蔵(大正 5 年建築)については活用・撤去のいずれの案でも構わない。施設設置に際しては、公園使用料1m2当たり年間450円以上という条件に従って年間使用料と対象面積を提案する。また、公募対象公園施設の収入の一部は市に還元するものとし、還元率と還元額も提案する。

 特定公園施設は、公園管理事務所と駐車場、駐輪スペース、イベントなどを行う広場、花や緑の空間の提案が必須でとなっている。任意で藤と桜のライトアップ照明、園路・トイレ・遊具などの提案も求める。供用開始は2023年4月を基本とするが、広場、花や緑の空間、任意提案施設については、2024年4月までに供用開始とする。なお、特定公園施設は事業者が整備後、市に有償で譲渡するが、市が負担する費用は、必須提案施設についてはかかった費用の9割未満かつ総額7200万円を上限とする。任意提案施設については負担しない。

 指定管理者として市が委託する管理運営業務は、公募対象公園施設と利便増進施設を除く天王川公園全体の維持管理と運営だ。加えて、従来、観光協会が自主運営してきた藤まつりと天王祭の一部の運営を、2023年度から指定管理者に移行する。また、指定管理業務に加えて自主事業も提案する。自主事業は、指定管理者のアイデアやノウハウを生かして自主的に企画・運営する事業で、事業の収入は指定管理者の収入となる。