「HELLO CYCLING」のアプリ画面(資料:OpenStreet)
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 シェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」を運用するソフトバンクグループ系列会社のOpenStreetは、埼玉県さいたま市と共同でシェアサイクルの実証実験を11月14日から同市内全域で開始した。実証実験は、さいたま市における新たな交通サービスとして、シェアサイクルの有用性や課題の検証を目的とするもの。OpenStreetが「さいたま市シェアサイクル普及実証実験」の採択事業者となり、同市と共同で実施する。実験期間は、2021年3月末まで。

 さいたま市は公共用地の提供を行い、ステーション(駐輪場)などの設備整備や運営をOpenStreetが担う。さいたま市の公共用地を活用して、ステーションを100カ所以上、新設する計画だ。実験では、既にさいたま市内にステーションを設置(11月14日時点で190カ所)もしくは今後設置する予定のOpenStreetパートナー企業と連携してステーションの密度を高め、シェアサイクルの利用状況の分析、事業の効果や採算性の検証、本格導入に向けた課題の整理などを行っていく。パートナー企業としては、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンなどが参加している。

 現在さいたま市内では、HELLO CYCLINGの自転車約500台が稼働中で、実証実験では1000台以上を目標に、順次拡大する計画。サービスの利用料金は15分当たり60円(最大1000円/24時間)。さいたま市は公共用地を提供する以外、補助金や委託料などの費用負担はないという。

 実験では、シェアサイクルを活用した様々な取り組みも、協議しながら推進する計画。まず、災害時における市職員の交通手段としての活用を図る。具体的には、HELLO CYCLINGが自由に利用できるICカードを市職員に事前に配布し、有事において通信障害や停電などが生じたときもシェアサイクルを開錠して医療施設や防災関連施設などへ移動できるようにする。この背景には、OpenStreetが2018年6月18日に発生した大阪北部地震でHELLO CYCLINGのシェアサイクルを無償で提供した際、有事の移動手段として自転車が非常に有効であると確認されたことがあるという。

 また実験では、「育児期の終了後の自転車買い取り」なども行っていく。これは、児童の就学時期に不要となる家庭が多い子供乗せ電動アシスト自転車を買い取って、その自転車にOpenStreetのスマートキーを取り付けて再利用するもの。これにより、さいたま市の子ども・子育て支援の一助とする狙いである。このほか、駐輪場がある公共施設の臨時休館やイベント開催などの情報をHELLO CYCLINGのアプリで配信して、施設利用者の利便性向上なども図っていくという。