東京海上グループの自動車保険会社、イーデザイン損害保険は、「より安全な交通環境・社会の実現」をテーマに自治体から企画を募集し、優れた提案のあった自治体に対して寄付を行う。同社は提案企画例としてシニアドライバーの運転支援、次世代車いすの活用実験などを挙げている。

 この寄付事業は、「逆公募プロポーザル」の仕組みを活用する。「逆公募プロポーザル」とは、民間企業が寄付受納(市民や企業などが地方自治体に対して公益のために寄付を行い、自治体が寄付金を受納すること)を通じて自治体の企画の実施支援や提携を行うというもの。Public dots & Company(東京都渋谷区)とスカラが共同開発した仕組みだ。今回の「逆公募プロポーザル」は、イーデザイン損保がPublic dots & Companyと連携して行うもので、初の実施例となる。

イーデザイン損保が実施する「逆公募プロポーザル」のスキーム(資料提供:イーデザイン損害保険)
イーデザイン損保が実施する「逆公募プロポーザル」のスキーム(資料提供:イーデザイン損害保険)
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 「逆公募プロポーザル」では、民間企業が設定したテーマに即して、寄付受納を希望する自治体が事業企画を作成・応募する。企業は自治体から応募があった企画を審査し、寄付する自治体を選定する。これにより、企業はより自社の目的にかなう社会貢献が可能となる。また、提案を募集することによって、企業はPoC(実証実験)パートナーとなる意欲ある自治体に、場合によっては複数同時に出合うことができる。一方、自治体にとっては、社会課題の解決が見込めるにもかかわらず財源不足などで実現が困難だった事業が、民間資金を得ることで実施できるというメリットがある。

「プロポーザル」と「逆公募プロポーザル」の比較(資料提供:Public dots & Company)
「プロポーザル」と「逆公募プロポーザル」の比較(資料提供:Public dots & Company)
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 今回の「逆公募プロポーザル」の寄付金額は上限100万円・1企画あたり50万円~100万円を予定している。11月20日に公募を開始、2021年1月15日まで応募を受け付ける。その後、2021年2月に寄付先の自治体を選定、3月に寄付を行う。寄付を受けた自治体は4月から対象企画の実施を始める。また、実施企画については、自治体から同社へのフィードバックを行う。

 この取り組みは、イーデザイン損保と東京海上グループの若手有志団体であるTibが、保険事業の新しい在り方を議論・研究していく中から生まれたものだという。Tibの活動を通じて「自分が無事故でいる時には、保険会社の価値を感じづらい」「企業の社会活動の理念に共感するから(その会社の保険に)入っている」といった一般の声が聞かれたことから、「寄付」による社会貢献に着目。保険加入者が自分たちの日々の生活とのつながりを感じてもらえるような企業の取り組みとして、テーマを絞って自治体と共創していく「逆公募プロポーザル」による寄付を行う。イーデザイン損保では、この取り組みを通じて保険商品・サービスの提供という枠を超えて社会に貢献していきたい考えだ。

訂正履歴
「逆公募プロポーザル」について初出時、Public dots & Company(東京都渋谷区)が開発したと記していましたが、正しくは同社とスカラによる共同開発です。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。 [2020/11/24 15:39]

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/112201782/