神戸市は、Park-PFI(公募設置管理制度)を活用して市中心部の「東遊園地」に拠点施設を整備する民間事業者として、村上工務店(神戸市)を代表とする企業グループを優先交渉権者に選定した。

 公募には3グループの応募登録があったが、事業提案書を提出したのは村上工務店のグループだけだった。グループの構成企業は村上工務店のほか、一般社団法人リバブルシティイニシアティブ、ティーハウス建築設計事務所の計3者。初期投資は約1億7000万円を見込んでいる。

 東遊園地は、神戸市役所の南側に隣接する広さ約2万7000m2の都市公園だ。阪神・淡路大震災の追悼行事である「阪神淡路大震災1.17のつどい」(来場者107万人・2017年)や、「神戸ルミナリエ」(10日間で来場者325万3000人・2017年)の主要会場としても知られる。市は、公園をイベント開催時だけでなく、市民の“アウトドアリビング”として活用することを目指し、15年度から「アーバンピクニック」と名付けた数々の社会実験を実施してきた(関連記事)。今回の事業では、さらなる賑わいの創出などを目指し、Park-PFI制度を活用して、東遊園地の北側園地に園内の回遊性向上につながる拠点施設(公募対象公園施設)を設置する。2022年4月上旬供用開始予定で、事業期間は工事着手(公園施設設置許可日)から20年間まで。公募時の設置許可使用料単価の最低額は、440円/m2・月(工事期間中は110円/m2・月)だ。

 村上工務店グループの提案は、イベントなどに利用するレンタルスペースとテイクアウト式のカフェを設置・運営するというもの。施設名は「URBAN PICNIC(アーバンピクニック)」で、鉄骨造1階建て、延べ床面積240m2。大学のキャンパスのように日ごろから通い、様々な文化を学び、体験することで新しい価値を創造し、交流する将来像を描く。また、神戸らしいライフスタイルを体験する場として、東遊園地をインバウンドも含めた来街者が訪れたくなる公園へと進化させることを目指す。

 提案の特色は、これまでの社会実験の結果を踏まえ、多様な規模の会場として利用しやすい施設計画としたことや、大規模イベントのほかに多数の日常的な学びのプログラムを開催予定であることなど。市民によるレクチャー発信や市民のイベント主催者側への参画など、市民が育てる公園を目指す。このほか、東遊園地の園地全体や周辺エリアを活性化するための企画・運営・広報も検討している。

 Park-PFI制度の特定公園施設としては、拠点施設の周囲の園地に芝生ガーデン、アウトドアライブラリー、デッキテラスなどを整備する。整備面積は978.49m2で、整備費の一部は市が負担する。

 市はこれらの提案に対し、社会実験の経験を生かした市民との積極的な関わりが期待される事業計画であること、東遊園地全体を活用した事業展開が示され、さらなる賑わいの創出が見込まれること、周辺のまちづくり計画との整合や、東遊園地全体の再整備との調整などにも柔軟に対応できる体制が整っていることを評価した。