3つのエリアをつなぐ1周1.5kmの巨大円形橋「MitoLink」(資料提供:茨城県)
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地元住民も気軽に足を運ぶ新しい歴史館のイメージ(資料提供:茨城県)
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千波湖畔エリアに設置した観光拠点施設「MitoMix」のイメージ(資料提供:茨城県)
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 茨城県は11月22日、県の委託により、星野リゾートが作成した「偕楽園・歴史館エリア観光魅力向上構想」を公表した。構想では、同エリアが抱える「コト消費のイメージ不足」「エリアの象徴となる食がない」「魅力が点在している」といった課題を踏まえ、観光地としての魅力を向上させる様々な提案がなされている。

 構想が掲げるコンセプトは、「都市観光なのにリゾート気分を味わえる地 水戸」。既存資源の活用とコト消費を促進する新たな仕掛けづくりを基本方針として、エリア全体と、(1)偕楽園本園と歴史館、(2)偕楽園拡張部、(3)千波湖畔の3つのエリアに対しての提案が行われている。

 エリア全体に対しては、まず鉄道や道路、地形によって3つのエリアが分断されていることを指摘。3つのエリアを通って中心市街地にもつながる円形の橋、「MitoLink」を、新たに整備することを提案した。

  MitoLinkは、自転車や徒歩でも自由に通行できる1周1.5kmの円形の橋で、回遊性を高めて観光地としての魅力向上を図るほか、水戸のシンボルとなるインパクトある外観で、SNSやメディアでの情報拡散も狙う。MitoLinkでつながったエリア内を自在に移動できるように、シェアサイクルや周遊バスも整備する。また、エリア内にある近代美術館、市内の水戸芸術館などとも連携し、一帯をアートイベントや野外イベントも楽しめる場とすることも盛り込んだ。

 3つのエリアへの主な提案は、以下の通りだ。

(1)偕楽園本園と歴史館
 偕楽園本園と茨城県立歴史館、旧藩校の弘道館があるエリア。水戸の歴史を体感できるエリアを目指し、茨城県立歴史館をリニューアルする。水戸藩時代を中心とした展示にするとともに、気軽に立ち寄れるように館内外のオープンスペースを拡充する。昔の生活を体感できる各種アクティビティも実施する。偕楽園本園は、観梅時期以外にも楽しめるように、歴史館との連携強化や周辺の歴史的施設との周遊の促進、喫食エリア・休憩場所・店舗の拡充や刷新、夜のライトアップや早朝散歩といったイベントなどを実施し、魅力向上を図る。

(2)偕楽園拡張部
 偕楽園の南側に拡張、整備した公園で、現状は池や芝生広場がある。提案では、ちょっとした非日常を楽しめるエリアを目指し、周辺に点在していた駐車場を集約するほか、バーベキューとグランピングの施設、および屋内外の子どもの遊び場を整備する。

(3)千波湖畔
 偕楽園の南東に広がる湖で、「都市の中にある湖」のポテンシャルを活かした、リゾート気分が楽しめるエリアとする。地元の食材を楽しめるカフェやレストラン、伝統工芸を楽しめるギャラリーや茨城ならではの土産物をそろえたショップなど、水戸観光の拠点となる施設「MitoMix」を整備。ランニングステーションやサイクリングステーションも併設する。このほか、湖を望む場所に観光客をターゲットとしたホテルと、地元住民向けに地域活動の拠点となるコワーキングスペースなどを設置する。湖を利用したアクティビティ、ナイトアクティビティや朝活も用意する。

 構想では、これらの提案の実現により、まずは首都圏在住者をターゲットとし、その後、徐々に集客エリアを拡大していくことを狙っている。

  提案を受け、大井川和彦茨城県知事は「民間の視点、観光のプロの視点から、水戸の強みと弱み、課題を的確にとらえている」と評価。 ただし、すべての提案をすぐに実行するわけではないと説明。県は今後、構想の内容を参考にしながら、検討会などでの議論も踏まえ、同エリアの観光魅力向上策を検討していく。