福岡県久留米市は、再整備を検討している久留米競輪場について、民間事業者のノウハウを最大限に生かした整備、維持管理、運営を実現するために、対話を通じて広く民間事業者の意見を聞くサウンディング型市場調査を実施する。

 久留米競輪場は、市の総合公園「正源氏公園」の中に位置する。競輪場施設のほかサイクルファミリーパークなどがあり、公園部分には池や多様な樹木などの豊かな自然環境が残る。競輪場部分は、約4万8000m2の土地に、1967年築のメーンスタンドをはじめ、メーン特別観覧席、バックスタンド、車券発売所、選手宿舎などが建つ。競輪場は開設から約70年が経過し、施設と設備の老朽化が著しく、なかには耐震基準を満たしていないものもある。入場者数も減少しており、維持費用や修繕費用の増大も課題となっている。

久留米競輪場周辺の配置図。青線の内側が正源氏公園のエリア(資料:久留米市)
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 こうした状況を踏まえ、市は2018年3月、競輪事業における収益向上を含めた経営管理、施設の最適化に向けた取り組み、および競輪場を含めた正源氏公園全体のエリア形成を計画的に進めるために、「久留米競輪中期運営計画」を策定した。その後、2020年3月に「久留米競輪事業収益向上基本構想」を策定し、競輪事業の収益を向上させる具体的な施策として、施設規模のコンパクト化、視聴環境整備・改善などの5点を挙げている。

 これらの計画の内容やこれまで検討状況も踏まえ、市は今後、「久留米競輪場再整備計画」を策定する予定。検討中の新施設は、施設を集約・コンパクト化するとともに、正源氏公園の環境と共生し、競輪も開催できるスポーツ・レクリエーション施設とする考えだ。また、施設の集約化によって生じた余剰地は、公園のにぎわい創出を図る多目的交流ゾーンとして活用。再整備後は、競輪開催への対応も含めて新施設の管理、運営を包括的に実施する方向で検討中だ。また。整備事業は、久留米競輪場施設等改善基金等(令和元年度末で約28億円)のほか、必要に応じて競輪事業収益等により得られる資金などを活用することを想定している。

 サウンディングでは、これらの検討状況を踏まえて意見を交わす。具体的には、(1)新施設の設計監理、(2)集約・コンパクト化する新施設の建設工事、(3)新施設の管理運営、(4)新施設の全部または一部の整備費用を負担して、負担部分の利用で得た収益で投資分を回収するスキームの付帯事業、(5)再整備で生じる空地の利活用を図る付帯事業――の5点について、それぞれ類似または参考となる業務の実績や、本事業の発注条件に関する意見などを求める。

 調査への参加を希望する場合は、12月14日までに所定の書式で参加を申し込み、12月17日までに意見・提案の要旨を提出する。個別対話は12月21日から23日の期間に実施する。なお、現地見学会や説明会は開催しないが、競輪開催日か場外発売日に、来場者の利用範囲については適宜、視察可能。調査の結果は2021年1月下旬に公表する予定だ。