山梨県は2019年11月、スマートフォン(スマホ)のアプリを使った健康づくり支援事業の委託先として、DeNAの子会社であるDeSCヘルスケア(東京都渋谷区)を優先交渉権者に採択した。近く正式契約(企画提案審査随意契約)を交わす予定だ。

スマホアプリ「kencom」の画面。健診・検診結果のほか様々な健康情報を提供する(出所:DeNA)
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 この事業は、スマホアプリを使って個人の健康意識を高めて自発的な健康づくりを後押しするとともに、国民健康保険被保険者の医療費を適正化するために医療データとスマホアプリを連携させるというもの。成果連動型民間委託(PFS:Pay for Success)を導入しており、アプリの利用によってもたらされた医療費の適正化分の金額を定量的に評価し、その金額の一部を委託費用の財源とする。成果に応じた委託費用の上限額は1億4100万円(税込)だ。

 山梨県は国民健康保険加入者の自発的な健康づくりによって、国民健康保険の医療費増大を抑制する取り組み「やまなしデータdeヘルス事業」を2019年から進めている。スマホアプリを使った健康づくり支援事業はその具体的な取り組みであり、公募型プロポーザルで委託先を募集。山梨県は応募した3社の提案を「アプリの内容」「継続性」「セキュリティ」「人員等の体制」「価格」などで評価し、合計得点が最も高かったDeSCヘルスケアを優先交渉権者に採択した。

 DeSCヘルスケアの提案では、スマホアプリに同社の「kencom」を使用する。kencomは健康保険組合・健診施設・自治体・生命保険会社の会員向けサービスとして提供されており、ユーザーは健診・検診の結果や歩数・体重など自身の健康データをスマホからいつでも確認できるほか、将来の疾患発症リスク、健康診断の結果に合わせた健康情報なども閲覧できる。健康保険組合など会員向けサービスの運営者には、健康関連サービスの継続利用が健康状態や医療費に与える影響を分析する機能を提供する。

 山梨県は県内在住の19~74歳までの国民健康保険加入者約20万人に対して、kencomサービスの提供を予定している。医療費適正化の定量的効果は、kencomの利用(登録か非登録)の有無が医療費に与える影響を比較して評価する。そのための医療費データはレセプト(診療報酬明細)から取得する。また、kincomサービスへの登録を促すために、LINEなどを活用した健康情報や健康増進イベントの配信にも取り組んでいくとしている。