千葉県館山市は、DBO方式で整備を検討している「食のまちづくり拠点施設」について、整備事業の実施方針を公表した。公募手続きは2021年2月に開始予定で、2023年度の開業を目指す。2020年12月18日に実施方針の説明会と現地視察を開催。参加希望者は12月16日までに所定様式で申し込む。

 建設予定地の面積は約2万3000m2で、観光バスのルートやツーリングのコースとして人気がある広域農道「安房グリーンライン」に面している。国道128号線にも接し、JR内房線の九重駅からも近い。ここに、地元産の農水産物の物販、飲食、加工などを行う地域振興施設と、トイレ、休憩、情報発信、駐車場の機能を備えた「道の駅」から成る複合施設を整備する。施設には地域振興と道の駅の機能は必須だが、施設の詳細は民間事業者の企画提案に基づいて決定する。

建設予定地の位置図(資料:館山市)
[画像のクリックで拡大表示]
建設予定地の敷地図(資料:館山市)
[画像のクリックで拡大表示]

 事業は、2015年に策定した「たてやま食のまちづくり計画」の一環で実施する。温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、多種多様な農水産物が生産される館山市の魅力を生かし、生産者や事業者の経済的利益や雇用創出、定住人口の増加など地域の活性化を目指す取り組みだ。実施方針では「食のライブファクトリー」のコンセプトを掲げ、地域の観光と農水産業をつなぎ、食の安心と健康、および地場産品の振興と地域経済の発展を図る拠点施設とする。食に関するプロフェッショナル人材の育成も担い、生産・加工現場での雇用については福祉関連事業との連携も検討する。

 民間事業者が担う業務は、施設の設計、建設、工事監理と、完成後の維持管理と運営、および自主事業だ。自主事業について、実施方針では、地域内流通システムの構築、ジビエの加工や飲食への活用など地場産ジビエの振興、地域食材や特産品の地域外への販売、プロフェッショナル人材(食の担い手)の育成、地域振興につながる一次産業の振興や観光振興等――を挙げ、公募ではこれらすべての事業についての提案を求める。

 業務の対価として市が想定している金額は、設計、建設、工事監理費用として上限5億6000万円。維持管理と運営は指定管理方式を想定しており、指定管理料の上限は年額2000万円程度。ただし、道の駅機能を含む拠点施設の事業(基幹事業)と自主事業の事業収益だけで維持管理・運営を可能とする提案でも構わない。なお、市は納入金または施設使用料として、契約期間を通じて年間の売上額か営業利益の一部を毎年度、事業者から徴収することを想定している。事業期間は2043年3月31日まで。

 事業者の選定に際しては、自主事業を含めた拠点施設の機能、市の財政負担額、事業者の設計、建設、工事監理、維持管理、運営の能力などを総合的に評価する。評価のポイントは、施設を核とした地域振興・地域への貢献、事業の目的・コンセプトの実現性、事業者の事業運営能力、計画の実現性・健全性、要求水準と事業運営計画との整合性、ライフサイクルコストを踏まえた提案内容、資金計画などだ。応募資格として、館山市内に事業所を有していることが条件の一つとなっており、現時点で有していない場合は、市内に事業所を設置する必要がある。審査は、資格審査とプレゼンテーション審査の2段階で行い、プレゼンテーション審査と事業者の選定は2021年4月頃を予定している。

 なお、今回の事業の財源として、「前澤友作館山応援基金」の一部を活用する予定だ。同基金は、2019年12月に実業家の前澤友作氏からふるさと納税で寄付された20億円を原資として、観光振興などを目的として創設された。