• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

リポート

記事一覧

雪国の地方都市から政令市まで、「生涯活躍のまち」先行事例の現在地

「第二回日本版CCRC構想・生涯活躍のまち取り組み事例勉強会」(1)

小口正貴=スプール【2016.12.14】

 2016年11月25日、東京・有明で「第二回日本版CCRC構想・生涯活躍のまち取り組み事例勉強会」が開催された。一般財団法人ロングステイ財団が主催したもので、全国で生涯活躍のまち構想を進める自治体から担当者が出席。これまでの取り組みと進捗状況、今後の展望などについて報告した。

 生涯活躍のまち(日本版CCRC)は、政府が地方創生事業の柱の1つとして推進するプロジェクトである。2016年8月には「生涯活躍のまち形成支援チーム」が、先行して取り組む全国7自治体をサポート対象として選定。今回の勉強会には、それら7つから新潟県南魚沼市、山梨県都留市、福岡県北九州市が参加した。

南魚沼市――目標は移住者の増加を地域産業の活性化に結び付けること

 スキー場やコシヒカリで名高い雪国の南魚沼市では、上越新幹線浦佐駅周辺を中心として新たにCCRCを建設する計画だ。同市役所の清水明氏によれば、南魚沼版CCRC構想は(1)新幹線で東京駅から約90分という高い交通利便性、(2)豊かな自然環境、(3)教育機関との密接な連携、(4)高度医療を核とした地域医療の4つを独自の強みに据えている。

 例えば(3)に関しては、海外からの留学生が約85%を占める国際大学や、医療職種人材の養成を得意とする北里大学保健衛生専門学院などとの連携を予定する。(4)に関しては新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院が2015年6月に開院し、既に周辺地域の医療拠点として機能している。

南魚沼市の清水明氏
「CCRC構想を産業振興・雇用創出対策として位置づけている」と話す南魚沼市の清水明氏
[画像のクリックで拡大表示]

 住居の建設は第1期、第2期をそれぞれ50戸、第3期を100戸と段階的に進め、最終的に全200戸・400人の移住を想定。予定地の半径1kmエリア内には、大学や病院以外にもデイサービスセンター、通所型リハビリセンター、市役所大和庁舎、ぶどう園などがある。

「首都圏の50~60歳代のターゲット層にアンケート調査をしたところ、暮らす場所の候補として最も多かったのは“ほどほどに便利な場所”だった。ただし、すべてが1カ所にある施設だと間違いなく介護が必要になる。健康づくりの意味でも、ある程度は徒歩で移動する距離を確保した」(清水氏)。

 市は取り組みの中で、市民のCCRCに対する理解を深めるために「まちづくりアイデア」を募集した。実際に事業に関わる「事業づくり部門」では、大成建設や日立キャピタルらのグループと、大和ハウス工業の2つが優秀賞に選ばれた。これら事業者が分担して各事業を行い、2017年3月頃までには具体的な内容を提示する。

 ここまでは移住者を迎えるための施策だが、南魚沼市がCCRCで目指すゴールは人を呼び込んだ後にある。「南魚沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、CCRC構想を産業振興・雇用創出対策として位置づけており、移住してきたアクティブシニアはもちろん、地元の若者たちを巻き込んだ新規産業創出を目論む。そのためにビジネス研究会を開催したり、市役所の空きスペースを活用したシェアオフィス「グローバルITパーク」を開設したりするなど、積極的に動き始めている。

 グローバルITパークについては、国際大学卒業生の人的ネットワークを活用し、インドやスリランカなどからもIT企業を誘致する。さらに国際大学、地元商工会、金融機関と市内の企業関係者が交流を図る「ICLOVE(南魚沼市地域産業支援プログラム)」もある。「アンケート結果でも、移住先での仕事を確保したいという意見は多かった。地域内での産業振興を推し進めていきたい」(清水氏)という。

企画・運営
  • 日経BP総研
お知らせ
健康ソリューション

<注目!>医療、福祉、スポーツ、ウォーキング、食育……「健康」と地域活性化を結び付けた取り組みが活発化しています。

記事サーチ

都道府県別記事一覧

「新・公民連携最前線」の掲載記事を都道府県別にご覧いただけます。「地方創生」「CCRC」「コンセッション」など注目キーワードの記事一覧も用意しました。

ページトップへ