東京都は、経済発展と社会的課題の解決を両立する「Society5.0」の実現に向けて、2020年1月から2月までキャッシュレス推進のモデル事業を実施する。モデル事業には、都民が日常的に利用するエリアを対象とする「生活エリア」事業と、国際的なオフィス街を対象とする「オフィスエリア」事業の2つがあり、実験終了後の20年3月に効果を検証する。

キャッシュレスの推進に関するモデル事業の概要(資料:東京都)
[画像のクリックで拡大表示]

 それぞれの事業では、利用者に「東京ユアコイン」を発行する。これは、SDGs(持続可能な開発目標)を推進する社会的・経済的な貢献に対して東京都が付与するポイントで、1ポイントが1円に相当する。今回のモデル事業で付与するポイントの上限は生活エリア事業、オフィスエリア事業のどちらも約2500万ポイント(約2500万円)。かつ、施策ごとに付与ポイントの上限と実施期間を定めており、付与ポイントが上限に達した時点でその施策は終了となる。

 生活エリアの事業は、東急エージェンシーを受託事業者として、東急電鉄、東急ストア(東京都目黒区)、東急カード(東京都世田谷区)が協力する。実施場所は、目黒区自由が丘をはじめとする都内の東急電鉄沿線地域。電車の混雑時を避けて通勤するオフピーク通勤、買い物でのマイバッグ持参、自由が丘商店街でのクレジットカード購買などの活動に対して、「東京ユアコイン(生活型)」を付与する。

 東急グループのポイントサービスである「TOKYU POINT」が「東京ユアコイン(生活型)」となる。オフピーク通勤では、東急線都区内駅全53駅(世田谷線を除く)から出発するPASMO定期利用者で、かつ「電車とバスで貯まるTOKYU POINT」の登録者が東京ユアコイン(生活型)の付与対象となる。同じく、マイバック持参は都内の東急ストア全47店舗のTOKYU POINT CARD利用者、自由が丘商店街のクレジットカード購買はTOKYU POINT加盟店での東急カードのクレジットカード利用者が付与対象となる。

オフィスエリアの事業概要(資料:三菱総合研究所)
[画像のクリックで拡大表示]

 一方のオフィスエリア事業は、三菱総合研究所が受託者だ。実施場所は千代田区大手町・丸の内・有楽町地区で、三菱総合研究所が取り組んでいる「デジタル地域通貨事業」で構築したプラットフォームを「東京ユアコイン(オフィス型)」発行の仕組みとして利用する。同社のデジタル地域通貨はブロックチェーン技術を活用しており、17年と18年に大阪市の「あべのハルカス」周辺地域で実施された仮想地域通貨「近鉄ハルカスコイン」実験でも採用されている。

 東京ユアコイン(オフィス型)の付与対象となる行動は、時差出勤したりテレワークを活用したりする「時差Biz」、プラスチックごみの削減など。付与された東京ユアコイン(オフィス型)は、大手町・丸の内・有楽町地区の連携店舗などでの利用や他のポイントへの交換が可能となる。

 それぞれの施策において、どのような行為にどれだけの東京ユアコインを付与するかについては現在検討中であり、「19年中には決定し、発表する」(東京都戦略政策情報推進本部戦略事業部特区・戦略事業推進課)としている。