「Beyond Health」2020年12月14日付の記事より

 沖縄県与那国町と与那国町診療所は、全島民約1700人(946世帯)を対象としたオンライン診療の実証事業を開始する。町が事業主体となり、診療所がオンライン診療を実施。沖縄セルラー電話とメドレーが製品提供とオンライン診療の島民への導入・活用支援、各種サポートを行う。官民一体となった検証事業の展開となる。

 与那国町診療所にメドレーの「CLINICSオンライン診療」を導入し、主に発熱患者を対象として診療所医師がオンライン診療を行う。緊急時には島民の要請に応じて役場・消防署・社会福祉協議会の職員が島民宅へ行き、沖縄セルラー電話が提供するタブレット端末を用いて診療所医師のオンライン診療を受ける仕組みも検証する。オンライン診療後の処方薬は、診療所から直接、患者宅へ届ける計画である。実証期間は2020年12月16日から2021年2月28日までを予定している。

 与那国島町診療所は現在、医師1人で全島民に医療提供を行っている。新型コロナウイルス感染症拡大を受け、診療所前にテントを設営して発熱患者を診るなど一般外来との動線を分けた対応を行ってきた。しかしながら、島民が抱く診療所における感染不安を払拭できず、受診を控える高齢者が続出していたという。

 一方、1人の医師や医療スタッフが新型コロナウイルス感染症に罹患すると即刻、医療体制が崩壊してしまう。医療体制の維持、通常診療の継続は与那国島にとって最も重要な課題になっていた。

与那国町町長の外間氏(オンライン会見のキャプチャー、以下同)
与那国町町長の外間氏(オンライン会見のキャプチャー、以下同)
[画像のクリックで拡大表示]

 こうした状況を受け与那国町長の外間守吉氏は、官民一体の実証事業に取り組む動機と展望を次のように述べた。「診療所医療従事者の負担軽減と島民が安心安全に住める環境をどう作るかが大きな問題。行政と一体となって発熱外来患者にオンライン診療を提供することで課題解決の一つになるのではないかと考え、将来を見越して事業をお願いすることとした。皆さんの協力をもって進めていきたい」(同氏)。